花園予選【vs湘南工大附属】たなえい 「貴大組最終章」
2014/10/26
「貴大組最終章」
10月26日。たくさんの応援、叫び声が響くなか、無情にも東海大相模グラウンドに最後の笛が鳴り響いた。
相手の湘南工科の選手は経験者が多く、体格、技術などあらゆる面で格上だった。
それでも公立高校の星となるべく泥臭く粘り強く戦い抜いた。
僕たちは試合を迎えるまでの2週間、相手の鍵となる選手を抑えるために、ピラー、ポストの選手の飛び出しやディフェンスの周りを早くする練習に時間をさいて来た。その成果が出たのは試合開始早々。狙い澄ましたかのようにダブルタックルに入って仰向けにその選手を倒したのだ。
これはいける!!勝てるぞ!!と、おそらく柏陽のプレーヤーは思ったことだろう。この後も粘り強いディフェンスを続けた。
しかし相手にもプライドがある。前半の半ばにトライを取られてしまった。その後も一瞬の隙をつかれてトライを重ねられた。
結局0-22で湘南工科のリードで前半を折り返した。
かなり体力を消耗してしまっていたが、まだまだ選手の目には闘志の炎が燃えていた。
そして迎えた後半。体力も回復し、相手の攻撃にも屈せずに必死に守る。すると柏陽がボールを持つ時間が増えてきた。練習してきたサインプレーを使ったり、力で押したりして、相手のゴール前まで追い詰めた。
しかし、ペナルティーやノックオンなどがあり、トライラインになかなか届かない。逆にほんの一瞬の隙をつかれ、さらに相手にトライを重ねられてしまう。
時間だけが過ぎるなか、自分達のやってきたことを残そうとする3年生の低いタックルや掛け声が後輩である僕の心を打った。おそらく観戦していた人々の心にもその思いが伝わったことと思う。自分よりもでかい相手にも食らいつく姿がとても輝いて見えた。
自分もあんなふうになりたいと思った。
しかし、試合は終わった。
スコアは0-44。きっと悔しいはずなのに、「悔いは残っていない」3年生は口をそろえて言った。
なぜか?それは自らの生きた証をこの試合で残したからだろう。
こうして貴大組は終わった。しかし、多くの人の心の中に深く残る代だったに違いない。
今までお疲れ様でした。
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