大きくする 標準 小さくする

vs日藤戦 『未熟さと先人が残したもの』

2009/12/21

  2月20日、オギ組新人戦2回戦「VS日大藤沢」が行われた。空は晴天。高度なハンドリングを軸とする柏陽ラグビーにとってはラッキーな天候。・・・かと思いきや、全くの不運な天候だった。晴天、ただし突風。パスもキックも風で大きく流される。FWの力比べでは間違いなく劣勢が予想される。この風をどう解釈しゲームを組み立てるべきか、いつものラグビーを決行するのか、風雨用ラグビーを徹底するのか。難しい問題が突きつけられた。

 キックオフ。劣勢が予想されたスクラムではやはりプレッシャーをかけられ、高校生では珍しい事態だが、スクラムでペナルティーをとられて自陣に釘付け。最悪の出だし。必死にタックルを仕掛け、何とか応戦するが基本的には防戦一方。風上にも関わらず、エリアマネージメントでなす術がない。理由は明確。司令塔が病的なほどのスランプにはまってしまったからだ。ウォームアップの時からパスが全くいかない。もともとムラのあるタイプだが、この日のパフォーマンスは史上最悪。誰もが目を疑うほどキックが当たらない。野球で言えば、ピッチャーが1回表に押し出しフォアボールだけで5点を献上したかのごとく、キックミス連発によりゲームプランは崩壊し、前半を0-12で折り返すことになった。

 後半、ただでさえ飛ばないキックなのに、立ちはだかる向い風。セットプレーを基点としたアタックを武器としているにも関わらず、スクラムは押され、ラインアウトも大事な場面でノットストレート。フェーズDFでも、次第に相手キャプテンを自由に走らせる場面が目立ち始め、スコアは詰まっていかない。新チーム2戦目の若さのせいか、サイン選択もシークェンスムーブもパニックに陥っている。焦る気持ちばかりが前に出て、アタックチャンネルがSO周辺に集中。バックスリーの決定力は見事に宝の持ち腐れ状態。最後は逆転のために無謀なアタックをゴール前からでも仕掛けては逆襲失点を重ねるという、ありがちなスコアのありがちな展開でノーサイドを迎えた。

オギ

「日藤戦は、本当に自分らがまだまだだなぁと感じました。アップから、まぁそれなりの声、それなりのファイト、といった感じでなにかこう去年の桐蔭戦とは悪い意味で違ったなと思います。前日の大瀬コーチからの言葉通り、『アップから』しっかりしないと。そういう部分が、試合にも出てしまったと思います。でもまだ新チーム1ヶ月ほどなので、ここからです。まだ変わりきれてない部分を関東予選では変革してポジティブにまた明日からやっていこうと思います。 」

まりも

「日藤という昨年も何回も合同練をした相手だったしやっぱり勝ちたかったけど負けてしまったのは悔しいし自分のミスで負けてしまってのでとても情けなく悔しかったです。自分のできてなくてやらなきゃいけないこと、まだ②やればできること、キックの重要さまた責任など色々な重大な課題があることに気付くことができた試合でした。この試合で『自分は変わった』とあとで思えるくらいに今までの甘さを変え行動でしめしたいと思ってます。今はとにかく自分に厳しくすることを意識して日々やっていきたいです。今回の試合は自分にとって忘れられない試合になりました。 」

チャー(中央)

「今日のゲームは全然ダメでした。FWはペナルティを連発し、自分自身もラックでの仕事量がかなり少なく、スクラムも押されチームに貢献できませんでした。これから関東予選に向けて目標を達成できるように強くなっていきます。 」

カワッチ(左から2番目)

「まだ自分は何一つまともにできないんだと強く思いました。もっと走りまわって仕事量を増やし、一つひとつのプレーの質をあげないと通用しないと思い知りました。でも落ち込んでばかりじゃダメなのでモチベーションあげてこれから頑張っていこうと思います。 」

 

 オギ組の新人戦はあっけなく終了。持っている力を全く発揮できず。原因は、大乱調に象徴される「メンタルの弱さ」と「1年生の到達度の低さ」だ。某大学が外国人選手を何人入れようと、早慶に手も足も出ないのがラグビーだ。オギやミットなどがどれだけ高い能力を持っていようと、他のメンバーが質の高いプレーをできなければとうてい勝てない。オギ組選手は17名(2年生8名)。スタメンの半分がラグビーを始めたばかりの1年生。15人制のゲーム経験は片手で足りるほど。気持ちはあれど、タックルがまったく決まらない。まだまだゲームに関わることが全く出来ていないレベルだ。

 しかし、弱いものは強くなる余地があるということ。到達点が低いということは高くステップアップする伸びしろが大きく存在するということだ。思い返せば、ケイ組もほっしゃん組も、新人戦は悪夢のような終わり方だった。それでも下を向かず、諦めずに挑戦し続け、菅平に上る頃には立派な形と実力を手に入れた。

 「諦めない力は必ず実ること」「素人集団の柏陽は、結果を伴うのに他校より時間がかかること」「努力は裏切らず、最後は勝負できる集団に変貌できること」これらのことをケイたち、ほっしゃんたちが身を持って教えてくれた。だから我々は大丈夫なのだ。ただしそれは、今シーズンのテーマ「REAL」から反れない日々を送れたときに。

 日大藤沢戦では、現時点の到達点の低さを再確認。何はともあれ、「腹くくってやるだけ」は変わることはない。さぁ先人たちのように、上を向いて元気出していこう!

公式戦としては異例のアフターファンクションを行いました。これぞラグビー!日大藤沢の皆さん、今回は完敗でした。これからも切磋琢磨していきましょう!ちなみに、夜はアフターファンクション大人の部を小澤監督&松山で行いました。いったい何本のデキャンタ(ワイン)が目の前から消えていったことでしょう・・・。

スクラム指導に来てくれた3年生「ほっしゃん、ぴー、トキ、あっき」 オール神奈川をごり押ししたあなたたちは、やはり偉大でした。勝利の報告ができずに申し訳ない。

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