PHOENIX-Ⅲオギ組始動 vs生田
2009/11/28
ほっしゃん組の見事な激闘から1週間のOFFをはさみ、PHOENIX3期が始動した。3年生と顧問松山で話し合い「キャプテン・オギ」「FWバイスキャプテン・ミット」「BKバイスキャプテン・まりも」を指名。それにチマ、カリブを加えた5人が委員としてチームを引っ張っていくことが決まった。
オギ組の特徴は、とにかく能力・意欲が高いこと。ほっしゃん組のときから、チームのサインチョイス、ゲームメイク、ラインブレイク、パス、キック、フィニッシュはすべて2年生が担っていたほどのタレント揃い(しかしそれを機能させていたのは3年生の美しき雑草たち!)。そして、その高い能力を支えるのは生まれ持った運動能力ではなく、どこまでも高い意欲と有言実行の個人練習量だ。夏合宿の記事のフレーズどおり「才・彩・祭」。
反面、お祭り男たちの最大の欠点は、精神的に打たれ弱いこと。分かりやすく言えば、上手くいかないとすぐに下を向いてシュンとする。悲しいほどナイーブ。思い返してみると、明るさとポジティブの塊「まっつん・EBI・あずき」、少々のことでは動じずに一貫した強さをもった「トキ・イマカズ・うみさん」、全国レベルのスクラムでチームの根底を支えた「ほっしゃん・ぴー」(・・・ある秋の夜の大事件、柏陽が国体オール神奈川チームをスクラム練習でねじ伏せた!!)。つまりは、オギ組とほっしゃん組は、お互いを補い合う最高のマッチングだった。
桐蔭学園戦から1週間後のファーストミーティング。オギ組が話し合って決断した「目標」がキャプテンから発表された。顧問として、予想と期待は十分持っていた。フェニックスが誕生して4年と6ヶ月。ついに堂々と口にした言葉は「花園出場」だ。ケイ組が「ベスト8入り」を目標に掲げ、ゼロから歴史を創造した。ほっしゃん組は「目標は8入りだが、たとえ桐蔭でも倒しにいく」をリアルに追求し、あの日の激闘を演じた。
「花園」を口にするのは容易いことではない。それに見合った日々を送らなければ、「口だけの茶番」という最もショボイ総括で終わってしまうからだ。しかしPHOENIXの偉大なる先駆者たちが、オギ組にそのフレーズを口にさせるだけの過程を歩んでくれた。そしてオギ組には、先駆者たちに決して負けない「どこまでも高い意欲」が根付いていた。
1年目「Make the history」、2年目「All out」、そして3年目のスローガンは「Real」。 「花園出場」という目標を達成するために、とことん頭を使い、現実的な方法を考え、妥協せずに突き進むことを意味する。委員中心に改革は一瞬にして行なわれた。「全員おそろい巨大弁当箱」「全体朝練週3回」「毎昼休み全員筋トレ」「塾の時間変更」「マック→蕎麦屋の大ライス」など次々にアイデアが浮かび、あっという間に実現していく。勉強との両立を求められる柏陽高校だ。犠牲は承知。テレビゲームや携帯電話いじり、デートなどの楽しみは絶滅に向かっていく。ケイ組が見たら間違いなく舌を巻くに違いないほどストイックな毎日。しかし懸けるものが大きいほど、人間の成長も大きく、得られるものも大きい。PHOENIX-Ⅲオギ組始動。大きな希望と覚悟と楽しむ心を胸に。
「第3期キャプテンのオギです。3年生が引退して、最初の選手のみでのミーティングで目標を決めました。『花園』。この単語が飛び交い、みんなが共有してもっていて、長々と話し合う必要はありませんでした。もちろん、普通にやって桐蔭や慶応と勝負できるなんて思っていません。だったら違うことをやろう、と。新チームになってから、色々なことが変わりました。坂ダッシュ、毎昼の体幹、3合の白米+弁当、毎練習後の3人ヘッドなど。やれる限りはとことんやるしかない。普通じゃダメなんだ。この1年、リアルに変わります。今思うと、こうして僕たちがこの目標を立てることができるのも、OBの皆さま、保護者の方の支えであったり、Phoenix創始者であり、まだ1歩遠い存在のように感じる第1期の先輩方、そしてあの桐蔭戦で『勝負』ができることを証明してくれた第2期の先輩方、大瀬さんや小森さん、そして松山先生、本当に多くの方のおかげです。ありがとうございます。感謝を力に、日々練習していきます。これからも応援よろしくお願いします。」
「FWバイスキャプテンのミットです。自分の目標は、柏陽にとって何か一つこれだけは桐蔭にも絶対に負けないというところを創ることです。そして、その強みで桐蔭と勝負したいと思っています。それともう一つは高望みかも知れないけど自分自身ももっと強くなってどんな相手でも負けないようになりたいです。三年生の引退試合の時はミスしてばかりでプレイも全然通用しなくてすごく悔やしかったです。もう自分の力不足を悔やみたくありません。今までは心の底から自分の力を信じることが出来ませんでした。実際強くなかったしまだまだ未熟でした。もちろん今でもそうです。今はまだ自分が迷いなく信じれる力を持っていません。だから、いつか自分自身を本当に信じきれるようになったらその時は今よりももっと強くなれていると思います。その姿を目指して必死に努力していきたいと思います。」
「今年バックスのバイスキャプテンになることになりましたまりもです。この代は花園に出場することを夢ではなく目標にして本気で目指します。ただそうかかげたからにはそれに見合った態度も練習も生活もしないといけないしまだ②その域には自分も含め個々としてもチームとしても達していないことぐらいわかってます。正直鼻で笑う人も多くいるだろうと思います。だけどこの代ならそんな革命的なことやれるようなそんな感覚を先日の花園予選で持つことができたし、やれると思えた。だからうちらはこの目標をかかげました。甘くはないことぐらいはわかってるつもり、だけど甘さを痛感することもはじめのうちはあると思います。でも決して諦めず並み一通りではない意識努力感謝を積み重ね工夫に工夫をこらして現状に満足せず結果を追求してリアルにこだわってその革命的なことをおこしチームを変える。そんな楽しみでシビアでストイックでロマンチックかつリアルに、そんな一見矛盾しそうなことをやってのけたいと本気で思っています。そして自分はバイスとしてもフェニックスの一員としてもそんな革命的なことを起こす核となっていけるように日々意識しそれを体現していきたいと思っています。よろしくお願いします。」
「チマです。委員になってチームの柱にならなければいけないというように思います。ウエイトリーダーでもある以上、チームで1番ウエイトを頑張って体大きくして強いPRになってまさにチームの柱としてみんなに安心感を与えられようになります。すべてチームと花園出場のために全力を尽くします。」
「委員のカリブです。新しくなったこのチームでは、一年生も全員が当事者。花園を現実的に実現するためには、精神面から変える必要があると思います。一年のウエイトや普段の練習で今まで甘かった部分を追求していくのが自分の仕事だと思うのでそこを徹底してやりたいと思います。そして、プレーでも、パスやコンタクトを成長させてチームを引っ張って行ける存在になりたいです。よろしくお願いします。」
11月22日、オギ組のファーストゲーム・新人戦1回戦が行なわれた。相手はかつて相模台工全国2連覇を支えた指導者が率いる生田高校。ケイ組が対戦し僅差を制して以来の戦いとなるが、新チームの実力は想像も出来ない。全プレーヤーで17名という厳しい台所事情もあって、オギ組としては練習試合を行なわず、ぶっつけ本番の公式戦となった。
結果は「62-0」でノーサイド。2年生は「実力の高さ」を見せつけ、1年生は「急いで実力をつけなければ」の危機感を強める結果となった。2回戦は昨年からほとんどメンバーの変わらない強豪・日大藤沢高校との対戦。露呈した課題を急ピッチで整備し、もう2段階は個人がステップアップしなければ厳しい戦いになるだろう。
オギ
「このチームになってファーストゲームだったので、まず勝ててよかったです。あと、ここ2週間DF中心にやってきたので「0」にこだわれたのもよかったと思います。試合内容は、後半にいくつも集中力不足のミスがあってじたばたしてしまいました。あと、ブレイクダウン。キャリアの寝方、オーバーが悪くペナルティーにいくつもつながってしまいました。これから練習していきたいです。個人的にはキック処理が悪かったので、次の試合までに改善していきたいと思います。」
ミット
「新チームでの初の試合が公式戦。試合前は期待と不安が入り交じっていました。このチームであれば勝てるだろうと思う反面、コンタクトで通用しなくて昨日の湘南工科との合同練習みたいになってしまうのではと思っていました。でも、試合が始まると全員が体をはってラックでもファイトしていたので凄くよかったです。ただ、自分も含めて終盤には集中力が切れて、つまらないミスがでるようになりました。次の日藤では一つのミスでも失点に繋がってしまうと思うのでこの一ヶ月で集中を持続できるように日頃からの意識をもっと高めて練習したいと思います。」
まりも
「この代の初試合を勝てたのは本当に良かったです。が個人的にはキックもタックルもダメだったしチームとしても球際の精度の悪さやミスなどがあったので改善しなきゃいけない課題も見えました。これから一人一人が意識をもっと②変えてみんなが一人一人上手くなりそしてチームとしてももっと②強くなっていきたいです。」
チマ
「新チーム始まって初の公式戦。まず勝ててよかったです。でもチームとしても個人としても課題が多く見つかった試合でした。やっぱりチームがエース格に任せがちなのでみんなが自分で積極的に攻める気持ちを強く持たないといけないと思います。自分も今日はもっと積極的に攻められたと思います。でも何回か先生に言われていたSOに選択を与えてボールをもらう事はできました。ただボールをもらったヒットしたときのコンタクトが雑だったのでそこを丁寧にしなきゃいけないと感じました。次は日藤だけど後1ヶ月で今日弱かったところを直して絶対勝ちに行きます。」
カリブ
「今回は、荻野組になって初の試合。勝利したが、内容はミスが多く「もっと出来る」と感じた。一年生は自分も含めて声が出てないので、次の試合では、もっとSOに要求する(指示の)声を出していきたい。」
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