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練習納め 「歓喜劇場09」

2009/12/29

 ほっしゃん組が翔け抜け、オギ組が一気に改革を断行した2009年。その最後の2日間は、オギ組らしく濃厚充実なものとなった。

12月27日、湘南学園と練習試合

 何しろ人数がギリギリの新チーム。新人戦前は結局一度も練習試合を組まなかったので、これが初の練習試合だ。相手は鍛え上げられたタイプのチームではないが、ほぼ全員?中等部のラグビー部から上がってきた経験者集団。日大藤沢戦で達成できなかった「低いタックル」「ボールを大きく動かす」をテーマに臨んだ。

 ペナルティーとスローフォワードを連発して停滞した時間が15分あるものの、最終スコアは「65-0」の完勝。アタックに関しては、デザインを完遂する前にトライが取れてしまう差を見せ付けた。一方DFに関しては、全くの落第点。県選抜候補にリストアップされるNO8やCTBに対するタックルは、意識してもやっぱり高く弾かれ続ける。4フェーズほど連続DFすれば相手がミスをしてボールは返ってくるので失点の気配はないものの、個々のタックルシチュエーションでは完敗と言わざるを得ない。

相手キャプテンとの1対1をノータッチで振り切りトライを量産・サッチ

「日藤に負けてから、チームとして個人にこだわり、自分はステップ練に力を入れました。その中で、試合前に個人的な目標として設定していた、相手を外に抜くということが達成できた点はよかったです。ただ、個人としてショートサイドの判断とコールとポジショニング、捕まり方、抜ききる力がまだまだ甘いので、練習で意識高く、個人スキルのレベルアップを追求していきます。」

相手が選ぶマンオブザマッチ・ミット

 「選ばれた瞬間に何で俺なんだ? と思いました。試合の後はたいてい失敗したことばかり思い浮かぶのでこの日もそうでした。タックルに入ず、体もしっかり当てれませんでしたし、アタックでも1、2回抜けたぐらいで自分ではまだまだの出来でした。でも、選ばれたことに対しては純粋に嬉しかったです。これからも油断せず精進していきます。」

 ゲームから得られた答えは明快で気持ちが良い。「高いタックルなんぞ微塵の意味も持たない」新チームの目指すDFをあらためて確認することができた。これで残すところ09年もあと一日。なのに先が見えてこない・・・。それは最終日28日に、3部練を敢行することが決まっていたから。

7番でフル出場 サンキュー力也!

湘南学園の皆様 盛大なアフターファンクション、本当にありがとうございました!

 


12月28日、09年練習納め

 この日は過去3年連続で同じ光景だった。とてつもなくきついメニューを行なうような雰囲気を作り、悲壮感MAXで練習開始。と思いきや、開始5分で歓喜のソフトボール宣言。年々それに至る演技やコネタ(昨年の記事参照)は手が込むようになって、「もう騙せない」限界状態。

 しかし今年は、「花園」をリアルに目指すことを掲げ、日藤戦で到達点の低さを確認し、ソフトボールをやってもむしろ楽しめるのか疑問だった。お楽しみ企画が欲しいようで、やっぱり目標達成に近づく努力を重ねた方が心の底では満足するのではないか?その判断で、今年は3部練を行なうことを宣告。信憑性を高めるためにHPのテロップにも流した。

 そして迎えた28日、心理的には8割あきらめの2割期待くらいか。その2割もすっかり忘れ去るように一日は淡々と進んでいった。8時からの1部目は実戦形式で課題となっている練習をみっちり行なった後は、計画通り各種測定。列挙すると「ベンチプレス」「懸垂」「スクワット」「50m走」「パス距離」「キック距離」「姿勢キープ時間」「柔軟性5パーツ」「体のサイズ測定4パーツ」。「3000m走」は正月休みを相応しく過ごすために、年明けにあえて残すことにした。11時からの2部目は個人&ユニット練習。延々とパスを放ったりキックを蹴ったり。時間と本数、つまり努力の総量でしか解決できない部分に、黙々と打ち込んだ。

 そして14時半からの3部目。集まった部員の心理にも、やはり1割弱の希望の光が捨て切れていない。そんな光が1秒おきに消滅していくテンポで、練習は始まる。正直、この日は本気で3部目も淡々と練習を行なうつもりでいた。その気持ちが揺らいだのは2部目の最中。延々と目的意識を持って練習をする選手を見て、あらためて感心した。「ストイック」という言葉は、フェニックスが生まれて4年、一度も浮かんでこなかった。しかしこのオギ組はどう見てもストイックだ。一人ひとり、今までの人生とは比べ物にならないほど頑張っていることだろう。そんな思いが秒単位で強まり、「チームワーク育成」だ「チーム内の明るさも強化の必需」といった合理化思考が脳内で進み、2部目終了直後にMGマナに「今年はどうやってソフトボール出そうか」と洩らすに至ったのだ。

 ヘッドスピードも5分経過したころ(希望が完全消滅したころ)、オギたちのグループにわざとノックオンを起こすキックを蹴りノックオンを誘って「アゲイン!」それはアゲインボールをセービングして再び前進する間に、他のグループをすべて劇場と化すであろうスタート位置に戻すためだ。そしてオギらがゴールに到達するや、「スピード緩んなよ!」と理解不能な因縁を吹っかけて2度目の「アゲイン!」宣告。苦痛に満ちた顔で4人が戻ってくるとき、隣で球継ぎをしているマナのポケットからソフトボールを背中で受け取り、今年のアカデミー賞級演技は終了。オギがセービングに飛び込もうとした際に目にしたボールは、小さく丸く白い。「?・・?・・・!・!!!」こんな表情の変化を経て、劇場は今年も歓喜爆発。各自の目に映る空の色は一変した。

 

むっちょ以来の豪腕ピッチャー・サッチ

ノブナガ

「12月28日、異変は駅前のNEYDAYSで起こっていた。朝8時前なのにオレンジジュースは完売、Widerも残り数個…。理由は簡単、みんな部員が買っていったから。というのも今日は3部練。練習の合間は1時間だから普通のご飯では消化しきれない。部室では皆無言…。そんな中迎えた練習1部目はグランドで少しやって測定で終わり。フィットネスを予想してたので意外だった。いや、安心するのはまだ早い。練習は2回も残っているから…。休憩時間には保護者の方からの差し入れも!!本当にいつもありがとうございます!!

 そして2部目。今度こそ!と思っていたら、FWBK分かれで終了。そして最後は1時間半だしきりと伝えられた。休憩時間、来たるべき時に備え体力を回復させていた。ソフトボールという単語を頭の隅に残しながら…。そして最後の練習開始。体操中、たくさんのボールが1ヵ所に集まっている…。もうメニューはわかった。覚悟を決めなければならない。

 そしてヘッドが始まった。始まって5分くらいか、大したミスもしてないのにアゲイン。なぜ??と思っていると先生の手から放たれたのは白くて小さくて丸い球。まるでソフトボールのような………!?そう、紛れもなくソフトボールが落ちていた。数秒の沈黙を破り歓喜がグランドを包んだ。何故かソフトボールでランパスしてゴールラインを駆け抜けていた(笑)。その後はみんなで楽しくソフトボールをした。サッチの投球には皆が驚いた。試合はシーソーゲームの末、サヨナラというなんともドラマチックな展開で終わりを迎えた。」

3部すべて参加。兄弟愛?とても楽しそうでした。立正大学(元横浜隼人主将)・友次

 

 最後は全員でボールを繋いで気持ちを共有し、自らの境遇の幸せと地球上のすべてのものに感謝の一礼。父母会が用意してくださったうどんを手に談笑し、09年最後のグランド練習を、幸せをかみ締めながら締めくくった。


オギ

「今年一年間を振り返ってみると、本当にあっという間だったと思います。自分はケガもあり、全然試合にでれずに合宿もチームに迷惑をかけてしまいました。なので来年は、ケガせずに周りが驚くようなランプレーのできる選手になりたいです。チームとしては、掲げた目標に劣らぬ努力、積み重ねがはたして出来ていたのかを委員で再確認し、来年はさらに普段の生活態度から、リアルに追求していきたいと思います。今年一年、こうして花園という新たな目標をたて、それを目指し日々練習できるのも、OBや保護者の方々、また毎週のようにきてくださる木村さんの温かい差し入れのおかげです。いつもありがとうございます。来年は激変の一年にしてみせますのでこれからも応援よろしくお願いします。」

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