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祝・横浜セブンス完全制覇!

2010/02/08

 横浜セブンス、過去に1度だけケイ組が栄冠を手にしたことがある大会。しかし過去6度、屈辱の敗退&シボリという因縁を持つ大会。7人制は恐ろしい。ほんの少し歯車が狂っただけで、6分×2の試合時間は無常にもあっという間に過ぎ去り、取り返しのつかない屈辱感を味わう。オギ組として初めて臨む7人制大会。見据える先は「優勝」のみだ。

 抽選会直後から、あえて「優勝しかありえない」と伝えてきた。セブンスの恐ろしさは痛いほど心に刻まれている。それでもオギ組のメンバーが負けることはあってはならない。たった8人しかいない2年生。しかしその才は柏陽史上最高と断言して間違いない。それほどの力量を持ちながら、いざというときの精神的脆さを指摘され続けてきたオギら2年生。だからこそ、今回は「優勝が義務」というプレッシャーをあえて強くかけ、それを乗り越える経験が欲しかった。

 

初戦『VS松陽高校』

 キックオフ直後から圧倒。DFの局面はほぼ無し。ミットの強烈なランニングを皮切りに、オギ、まりも、タニなど的を絞らせずどこからでもトライが取れる攻撃力を如何なく発揮してノーサイド。「59-0」で初戦を危なげなく制した。

 

2戦目『VS横浜高校』

 実は因縁の相手だ。2年前のこの大会。「優勝しかない」と臨んだ決勝で横浜高校と対戦。キャプテン・ケイとエース・カズをケガで欠いた逆境を克服できず、優勝を横浜高校にさらわれた過去がある。キックオフ。横浜高校のアタック時間が続く。学習院で松涛コーチから学んだセブンス用DFで穴はできない。しかしラインブレイクを過剰に恐れるあまり、DFが極端に消極的。穴はつくなないが、全く取り返せる気配がない。横浜アタックと柏陽DF、どちらが先にミスをするかの我慢比べとなった。しかしそんな固い空気を払拭したのはミット。タックルされても決して倒れず、ハンドオフと快速を飛ばしてインゴールを陥れた。その後は初戦同様のトライラッシュ。「35-0」で予選プール1位通過を決めた。

 

準決勝『VS横浜商大高』

 キックオフ直後からレフリーがホイッスルを口にする機会がほとんど訪れない。つまり、柏陽がノーホイッスルトライを続ける展開。とはいえ、勝利が濃厚となってから痛恨のDFミスで失トライ。攻守ともに動きに切れがない。終わってみれば「54-7」だが、決して満足いく内容ではなかった。

 

決勝『VS川和高校』

 ついにたどり着いた決勝の舞台。「100or0」つまり、勝てば最高、負ければ最低。やはりケイ組の冬セブンス決勝敗退の悪夢が頭をよぎる。相手はライバルと想定していた希望ヶ丘を倒してきた川和高校。柔剛兼ねそろえた司令塔を軸に、セブンスの動きを理解し、派手さはないものの勝利を巧みに手繰り寄せる力を持つ。最高のテンションでキックオフ。試合の展開は、終始圧倒。1本不本意な失トライを許すも、セブンスキャプテン・まりもを中心に、個人のレベル差を見せ付ける。一人ひとりが目の前のスペースを的確に理解し、ボールをとめどなく動かす。最後は各自が問答無用の1対1力を発揮し、「47-5」でノーサイド。「優勝以外はありえない」とプレッシャーをかけられた大会を、見事に全試合圧倒圧勝で制した。

オギ

「今までセブンスは、悪い思い出ばかりでした。なので今回は自信はあったものの、何がおこるかわからないセブンスに少し不安がありました。が、試合がはじまると自分たちのペースで試合を進め、優勝できたのでうれしく思います。これから試合が続くのでさらに気をひきしめていきたいと思います。」

ミット

「去年のセブンスでは全く走れなくて後悔だけが残りました。だから今年は万全の準備で臨みました。最初こそ少し緊張しましたが、それ以降はリラックスして楽しくやれました。一番きつかったのは三試合目で、なかなかトライが取れなくて苦しかったです。でも、なんとか気持ちでトライを取った時はとても嬉しかったです。今までなら諦めて捕まってしまっていたであろう所で走りきれたのは自分が前より少し強くなったからかもしれません。これからも努力し続けて少しずつ強くなっていきたいです。」

チマ

「今日は優勝できて良かった~。試合では普段絶対しないパスとか2対3とかで抜けたりできて楽しかった。だけど所々ミスがあったし、全然走れなかった。足遅いのを改めて実感しました。そうは言っても自信になることが多かったのでこれをバネにして頑張ります。」

チャー

「チームは優勝することができましたが、自分は今日は何も仕事をすることができませんでした。もっと強くなって体をデカくして、力強いプレーができるように頑張りたいと思います。」

ノブナガ(右)

「今までのセブンスの試合に出ていた時もいい思い出が無くて、今回こそは、と思ってました。今日は優勝以外はありえないと思っていたから、勝てて良かったです。今回のセブンスで最高に楽しい1日になりました。」

BIG HIGHT(中央)

「久々のセブンス、そしてセブンスは大の苦手ということでけっこう最初は緊張してたんですけど、試合に入ってみるとまぁまぁ動けてよかったです。トライも一本とれたし(汗) これからも怯まず頑張りたいです。」

タニ(左)

「セブンスというと今まで苦い思い出しかなく、今度こそは優勝しようと思っていたので今日優勝できてよかったです。次回ももっと走って優勝できるよう頑張ります。」

セブンスキャプテン・まりも

「今回のセブンスは優勝できて本当に良かったです。今まで怪我をしていたり負けてしぼりなどセブンスはあまり良い思い出がなかったので少し不安なところもありましたがやってみたらその不安も消え優勝できたことで自信にもなりました。でもそれで満足せずに貪欲な向上心をもってもっと②まずは自分個人として意識を高めたいです。でも本当に良い週末でした。」

Ⅰ期清水(うずら)

「今日は優勝おめでとうございます!俺らがいた頃とは個々のレベルが段違いに上がっていて、見ていて危なげない優勝でした。真下が心配していたセブンスの悪夢は起きる気配もありませんでした。俺らの代が苦労して優勝したセブンスを当然のように優勝するあたりはちょっと悔しくもありますがホント頼もしいです。セブンスで得たものを15人制にも生かして、花園出場に少しでも役立てて、これからも意識高く頑張って下さい。春休みまた顔だします!」

 タレントが揃ったから優勝は当然か。いやそれは前提が正しくない。他校とは異なり、オギ組にラグビー経験者(小中学時代)は一人として存在しない。スタート段階では、ちょっと足が速い、ちょっと体が大きい、その程度のスタートだ。決してタレント集団ではなかった。

 しかしオギら2年生は、本当によく努力してきた。1年生の頃から毎朝当たり前のように個人練習。ほっしゃん組が引退してからは、「花園」という目標をリアルに追求する覚悟を決め、手のつけられるすべての努力を続けてきた。食事、挨拶、食事、整理整頓など、劇的に改善された。誇りと人間力を高めるべく、自分たちで勝手に判断し、私(松山)の知らないところで勝手に近隣のゴミ拾いに出かけたりもする。このセブンスに関しても、私からはノーコーチング。自分たちで攻守ともに構築してきた。並レベルの素人軍団が、高い意欲のもと、決して諦めずにコツコツと努力してきた成果がもたらした優勝だった。

夕日に背中が映えました!

 

 

 興奮冷めやらぬ翌日、今度は横浜セブンス1年生の部が開催された。PHOENIX史上初のラグビー経験者・カリブが大会の3日前に骨折から復帰したのは心強いが、何しろ自分たちの学年の強さがわからない。しかし、強烈なタレントを揃える2年生とは異なり、体はひときわ小さく、運動能力も・・・。「俺たちの代はヤバイ」という腹のくくりと危機感からスタートしても間違いではなさそうだ。

初戦『VS横浜隼人高校』

 6月の1年生交流試合(初試合)で粉砕された相手。パッと見ただけで体は柏陽の1.5倍。加えて全員が中学時代からのラグビー経験者。もしかしたら優勝候補最有力チームかもしれない。気合は十分入っているが、やはり不安な気持ちが払拭できない。

 キックオフ直後から隼人の攻撃に柏陽が粘ってタックルをする展開。明らかに押されている。しかしその粘りは身を結び、両翼のグッキーとサッチがチャンスを一発で走りきる。体の大きな相手にDFでとにかく粘り、ボールを素早く散らして決定力のあるWTBが走りきる。まさに「小さき者が目指す理想形」の試合運び。「23-7」と誰もが予想しなかった大差?で見事に初戦を突破した。

 

準決勝『VS横浜商大高』

 当たり前だが柏陽より数段デカい。試合は先制トライを許し、その後もゴールラインを背負って必死にDFする苦しい展開。しかしそれでも執念のタックルは途絶えることがない。最後はブレイクダウンでカリブらがボールを奪い返すと、やはり高速フィニッシャー・さっちとグッキーが一発で走りきる。キャプテン・ヨッシーが骨折で退場するアクシデントが発生して一時は危機感が漂うも、最後まで「しつこいタックル→ターンオーバー→両翼が快速を飛ばしてトライ」の図式を崩さず、苦戦のように見えて実は「29-7」という大差で商大高を下した。

 

決勝『VS川和高校』

 

 いよいよ迎えた決勝戦。目の前の一戦しか考えるべきではないが、ここまできたら「1・2年完全優勝」という快挙がちらつく。目の前の対戦相手を目にすると、やっぱり柏陽より明らかにデカい。が、そんなものはとっくに慣れた。キックオフからタックルでもブレイクダウンでも速く鋭いプレッシャーをかける。最後の最後まで柏陽PHOENIX-Ⅳらしいプレーでゲームを支配。オックやカリブはビッグタックルで相手を乱し、テツは延々と動き続けることで1対1を作らせない。たまに抜かれても脅威のカバーDF!ナツが一発必殺タックルで仕留める。カワッチやグッキーもついにふっ切れたかのように相手にタックルを見舞い、サッチは相手を追い込んでからビッグヒットという見事なDFを披露した。

 タックルタックルタックル。嵐のようにタックルを繰り返し、サッチとグッキーは決定力の差を見せ付けた。準決勝よりも遥かに余裕の感じられるゲーム運び。終わってみれば「22-5」という大差で勝利。見事に横浜セブンス1年生の部を圧勝で制した。

カリブ(中央)

「今回セブンスは初体験ということでかなり緊張していましたが、優勝できて良かったです。全体としては、2年生とのADで出来なかったタックルに入れたのが良かったです。ただ目指すところはここではないので、気持ち切り替えてやっていきたいです。」

テツ(左)

「まずは、優勝することができてうれしいです。プレーの事ですけど、自分はまだまだで、何も活躍しなかった気がします。ただ、このセブンス大会のために作ったラインアウトのサインが成功してうれしかったです。それと保護者の皆様、応援に来ていただきありがとうございました。」

ナツ(右)

「とりあえず、最高の結果を残せてよかった。自分達の代は、2年生達みたいに優れた長所が少ない分、1人1人の責任が重いので、たった1つのミスで負けてたかもしれない。それだけに、今回の優勝はとても大きな意味を持つと思う。次は関東大会なので、気合いを入れて頑張っていきたい。」

オック

「2年生チームに続き優勝!!先輩たちが先に優勝し、プレッシャーになりましたが、初戦を勝利し緊張もとれました。何より今日は人生初トライができて嬉しかったです。チーム一丸となってプレーできたことを誇りに思います。」

グッキー

「目標の10トライは取れなかったけど、ストーカータックル(?)を決めることもでき、何より優勝できてよかったです。次のセブンスはけが人なく全員で戦いたいです。あと次こそトライ量産して先生におごってもらいます!」

セブンスキャプテン・ヨッシー

「優勝できて本当に良かった。本当にうれしいです。これからも練習頑張っていきたいと思います。」

カワッチ

「勝ててよかったです。(涙)今までやってきた練習がとりあえず報われた思いです。セブンスで得たものは大きいのでそれを忘れずこれからも頑張っていきます。」

サッチ

「同学年には負けたくなかったし、負ける気はしなかったけど、優勝した時は、本当に嬉しかったです。まだまだフィットネスがだめだめなので、後半はばてばてでした。自分の役割と目標を考えると、セブンスをきっかけにいろいろと気付けたところがあったので、謙虚に、誠実に、確実にうまくなっていく、良いステップになったと思います。」

ガンセキ

「自分は怪我で出れなかったが仲間が優勝したことは本当に嬉しい、しこれからの部活生活に良い影響を与えると思う。怪我を早く治したい。」

マナ

「この土日、一生懸命な部員さんの姿を見てたくさん涙が出てきました。こんな感動を2日続けて味わえるなんて、なんて幸せなマネージャーなんだろうと思います。もー、みんな大好きです!!」

 

 

 「努力は裏切らない」聞き古されたフレーズだ。しかしこの大会、小手先のサインプレーで勝ったのではなく、問答無用に個人レベルの差をみせつけた。天賦ではなく、コツコツと積み重ねてきたパワーとスキルをみせつけたのだ。やはり「努力は裏切らない」。その事実の証明が、この大会で得ることができた最大の収穫だろう。とはいえ、最終ターゲットを見据えると、時間ギリギリというほど追い込まれている。1日も無駄にはできない。いい訳は要らない。今こそもう一度「個人練習・リアルに成果の出る努力の継続」を!!

 と言いつつ、でもまぁダブル優勝を果たした夜くらいは「よく頑張ったな!」だけでもいいのかな。

2年生は「59-0」「35-0」「54-7」「47-5」と爆発的攻撃力を発揮して優勝!

1年生は「23-7」「29-7」「22-5」とDFからの一発逆襲を武器に優勝!

セブンスキャプテン・まりものリードで、勝利の部歌斉唱!

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