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至福の体験! 第1回YCACセブンス優勝!!

2010/04/05

 YCAC 略さずにいうと横浜カントリー&アスレチッククラブ。山手駅裏の住宅街に大きな敷地を構える、いわゆる高級会員制スポーツクラブだ。創設は1868年。1901年に日本ではじめて行われたラグビーの試合が、YCAC対慶應大学という事実はあまりに有名だ。同時に、ラグビー界で「YCAC」というと、「セブンス大会」の代名詞でもある。50年以上の歴史を持つ大会・YCACセブンス。トヨタ自動車や早稲田大学など日本のトップチームがチャンピオンを争う。近年はクラブを代表してタマリバクラブも参戦している。

http://www.rugby-japan.jp/national/dome/2009/id5945.htm

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 そんな高い格式と伝統を持つYCACセブンスだが、今年第1回高校生の部が開催された。大会に招待されたのは、いずれも「学校の歴史が100年級・ラグビー部の歴史も古く・OB会組織がしっかりしている・そして県を代表する進学実績を有する・文武両道の・公立高校」という、どこまでも高いハードルをクリアする高校ばかりだ。神奈川からは湘南と緑ヶ丘、東京は日比谷高校や小石川高校、その他静岡高校や熊谷高校など、いずれもそうそうたる伝統校ばかり。

翌日のトップトーナメントに出場するセブンスの神様・セレビ  異次元のステップ!ずっと憧れの選手でした!

 そのなかで創立42年の柏陽高校が招待されたのは異例中の異例。横浜セブンス優勝の実績や、当ホームページの内容などが評価され、招待されるに至った。実は参加に際してOB会にかかる負担内容は多岐に渡った。それでもOB会の賛同と支援を受けて参加したのは、この体験が部員の一生ものの素晴らしい記憶になることが間違いないと断定できたからだ。個人的に早稲田やタマリバの一員としてYCACセブンスの参加し、その空気と文化的要素の素晴らしさを体感したことがある。本気で楽しみ、試合が終わるや否やグランド脇の英国式パブ(日本でいうバーのようなもの)で敵味方入り混じって、ごく自然体でビールを枯渇した体に流し込む。英語が話せなくともなぜかコミュニケーションは成立し、歌ったり踊ったりと、日常とかけ離れた時間が流れる。そんな幸せな時間。これぞラグビーの姿。ラグビーとは本来こう楽しむものだ。高校生だから「ラグビー+ビール」という王道セットを愉しむわけにはいかないが、そんな文化を自然体で実現しているクラブを感じて欲しかったのだ。

実の兄弟みたいです! オギ弟とチマ妹

9:30 1回戦「vs岡崎高校(愛知県)」

 セブンスは恐ろしい。フェニックスはかつて嫌という程味わってきた。優勝を狙ったケイたちが、合同チームに負けたという苦い歴史もある。とにかく初戦は大切だ。その悪い予感は的中。キックオフから、柏陽らしくない重苦しい展開がダラダラと続く。ボールが動かない。目先の判断ばかりで、グランドを有効に使えない。セブンスキャプテンまりもがなんとか攻守に渡って動きの悪いチームを取り繕い、「36-10」でノーサイドを迎えた。試合後は誰もまるで敗戦後のような顔つき。しかしトーナメント式の大会で、下を向いている暇などあるはずがない。すぐに気分を切り替えて2回戦の爆発を誓った。

 

11:50 2回戦「vs日比谷高校(東京都)」

 キックオフリターンでミットが相手をなぎ倒しながら70m走りきると、今度こそ柏陽らしさが爆発。タニ、グッキーらがトライラッシュを築き、とどめは長いケガ人生活から復帰したガンセキ。タックラーを真正面から粉砕し、ド派手なトライを決めた。最終スコアは「61-0」。チームに笑顔が戻った。

負傷中のオギは、この日ほとんど温存。周りが層の厚さを証明。

 この大会、実はくじ運に恵まれた。トーナメントを見ると、反対の山に「静岡高校」「熊谷高校」といった強敵に違いない近年の実績を有する高校が並んでいる。そして気になって仕方がないチーム「フランス」。ただしくは日仏学園(東京にあるフランス人学校)。そんな3チームを気にしながら観戦すると、大泉高校(東京)が完成されたセブンスラグビーを行い、かなり手ごわい相手だということもすぐに分かった。

 さて日仏学園(以下、フランス)。こういう大会に外国人チームが参加した場合、たいていは2つに分かれる。凄まじく強く、日本人を完膚なきまでに粉砕して優勝をさらう。または、レクレーションレベルのお遊びラグビーに終始して問題外。さて今大会のフランスは。・・・一目瞭然、まぎれもなく前者だった。強豪静岡高校との初戦、破格の威力を見せつけるコンタクト。捕まって5m近くドライブ。ハンドオフで蹴散らし、相手ボールは異常な強さの二の腕でむしりとる。独走のフィニッシュは、ブライアン・ハバナ(南アフリカのスター)を髣髴させるド派手なダイビングトライ。「このチームが出るの反則だろ・・・」とすべての観衆が苦笑い。大泉高校が低いタックルとキックで何とか対抗するも、結局決勝まで相手をあっさり零封で進んだ。

昼食会場の大ホール 当日の飲食はすべて食券が支給された。

 

14:20 準決勝「vs小石川高校(東京)」

 テーマは圧倒。気持ちはあれど一人一人の勝負する気持ちが空回りし、スコアが停滞。それでもこの大会全試合で抜群のゲーム運びをしたBIG HIGHやタニがスペースを上手く攻略してトライを築く。「47-7」でノーサイド。いよいよフランスとの決勝戦に駒を進めた。

 

15:40 決勝戦「vsフランス(東京)」

 すべての観衆が「柏陽がどこまで食らいつけるか、柏陽なら一矢くらい・・・。」という目で見つめる。準決勝までの試合から相手を分析すると「ノーフルバック」「ラインアウトが準備不足」「DFに穴はなく、ブレイクダウンもアタックも強烈」。ここから導かれるデザインは「キックとラインアウトと足首タックル」で試合を構成し、相手をイラつかせて自滅に導くことだ。しかしセブンスキャプテンまりもが下した決断は異なった。「真っ向勝負でいきます!」あまりに自信みなぎる顔に、「よし、勝負しよう。でもラインアウトで優位に立てることはいつでも忘れるな」と言うのが精一杯。すべてを選手とまりもに委ねた。

 キックオフからの22分間(10分ハーフ)、会場の誰もが目を見張った。フランスではなく、柏陽の強さに。まりもの強気で冷静なゲームメイク、全員の開放感溢れるプレー。スコアはあっという間に開き、「45-5」。記念すべき第1回YCACセブンスを、全試合圧勝で制した。

まりも

「とにかく今日は優勝できてよかったです。そしてあの外国のような雰囲気のなかラグビーできたことそしてフランス人とラグビーできたこと本当に良い経験になったし何よりも大会を試合を楽しむことができたので本当に良かったです。自信にもなり疲労はありますが精神的に横須賀戦に向けてプラスになったのでチームとしても個人としてもこのまま横須賀戦に向けてどんどん良くなっていきたいです。」

外国人はノーサイドの切り替えが、やっぱり素敵でした!

オギ

「こんな素晴らしい大会で優勝できて、素直にうれしいです。横須賀戦一週間前ということもあり、チームのモチベーションがあがる充実した一日を過ごせたと思います。そしておそらくフランスチームと試合をしたことは生涯忘れないことと思います。このような、素晴らしい大会に出場できたのは、荻原さん、太田さん、北嶋さんをはじめとするOBのみなさまのおかげです。本当にありがとうございました。横須賀戦まであと一週間、最高の過ごし方をします。応援よろしくお願いします。」

ガンセキ

「とにかく最高に楽しめた。また出られたら良いなぁと心から思う。個人的には課題があるがそれら全て横須賀戦までに解決し絶対に勝利する。」

グッキー

「今日は素晴らしい外人のねえちゃんを見ることができ、またラグビーの文化に触れることができてとても良い経験になりました。あとピンクスパイクの初陣を飾れて、サッチより目立てて良かったです」

 

まりもに優勝カップと、MVPのシャツが贈呈された。

 

アフターファンクションパーティー  ポジションごとにチームを編成し、「One for all,all for one」をテーマにした連想ゲームに取り組みました。

優勝キャプテン&MVPのまりも  大人びた立派な挨拶で大会を締めくくりました!

アフターファンクション大人の部 やっぱりラグビーは酒と仲間がよく似合う!

上遠野校長も全試合観戦!ありがとうございました!

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