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柏陽高校ラグビー部 復活 !!

2006/04/30

 柏陽高校ラグビー部、それは40年前に学校が創立したころからの伝統部活動である。40年の歴史、400名以上のOB、あるときは、県でベスト4まで進む強豪校であった。

 

 平成に入り、部員は減少の一途をたどる。近年は15人を切り、合同チームとしてかろうじて部を存続してた。そして昨年、ついに部員ゼロに、すなわち「休部」状態となった。柏陽ラグビー、消滅の危機である。

 2006年4月、現顧問である松山が赴任。「ラグビー部を復活させてくれ」というOBの期待を一身に背負い、ゼロからの創造が始まったのだ。さびきったラグビー倉庫を整理し、カビたジャージやハンドダミーをひたすら洗った。胸を高鳴らせ、入学式を待った。    

                    

入学式から1週間ほどが経過した頃、ケイ(1年生・現キャプテン)は体育準備室前で私を待ち構えていた。用事から戻った私の姿を見つけるなり、まっすぐな瞳でこう言った。

「先生、ラグビーやりたいんですけど」

                     

松岡会長はじめOBの方々の協力もあり、徹底的な部員獲得作戦をすでに実行していた。転任の挨拶、部活動紹介などを通じて、全校生徒の前でラグビー部復活をアピールした。スクリューパスなどのパフォーマンスも行った。プレゼント用のオリジナルジャージ「Make the history 2006」をラグビーメーカーと共同でデザインし、入部者のために準備した。オリジナルポスターや全男子生徒分のチラシも、知り合いの印刷会社に頼んで発注した。昼休みにも名簿片手に、ひたすら1年生の全教室を回って声をかけた。

 

部員を集める自信はあった。しかし何日待てど、全く入部希望者は一人も来なかった。

「部員0からのスタート」は想像以上に難題であることを痛感し、正直落胆もした。

「やるだけやったつもりでしたが、現実は厳しいようです」松岡会長に、愚痴をこぼした。

部員ゼロからのスタート。生徒にとってみればギャンブルである。下手すると、ほとんど部員が集まらずに3年間寂しい思いをする。踏み込むには、あまりにリスクが高いのだ。

 

 しかし、ケイは一人で来た。

「入部ということでいいのか?」 「ハイ!」 「そうか、そうか」

感激のあまり、あまり言葉が出てこなかった。ただただ何度もケイの手を握った。グランド脇にある砂利の空き地で、二人だけでランパスをした。

柏陽高校ラグビー部「PHOENIX」が、産声を上げた瞬間である。                                   

  

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