大きくする 標準 小さくする

夏の菅平合宿報告

2006/08/10

8月、やけに立体的な白い雲。

レタス畑の合間に、H型のポールの立ったグランドがあちらこちらに見える。いや、この町では90面ものグランドの合間に畑があると言った方が正しいかもしれない。通りを歩く高校生は皆、やけに黒く、そしてごつい。よく見ると誰しもに擦り傷の跡が見られる。

 

そう、ここはラグビーの聖地・菅平高原。7月上旬は中学が、8月上旬は高校が、中下旬は花園常連校と大学が日本中からこの地に集い、毎日何十試合も行われる。8月6日、柏陽フェニックスは平沼高校の3人とチームを組み、この地に足を踏み入れた。

 

 

1日目 VS 東山工業高校

 

 でかい・・・。相手は一目で分かる100キロ級を2枚揃えている。スクラムやモールで劣勢を強いられることは明らかだ。とはいえ、それは柏陽にとっていつでも「前提」である。でかくてパワーのある相手を、いかに頭(すなわち戦略・理解力・判断力・対応力)と足(すなわち走力・持久力・まじめさ・責任感・ど根性)を使って倒すか、それが柏陽ラグビーだ。

 キックオフから柏陽らしさが爆発。「だからそのエイトだけ止めろって言ってるだろーがぁ・・・」東山工業のコーチが頭を抱える。柏陽のエース・キョータは独自のステップで相手を切り刻む。主将・ケイは豪快なランニングは相手をふりほどきながら突き進む。フォワードはまじめに走り、球を確保し続ける。17-5、スクラムなどでいくつか課題を残しつつも、柏陽らしいラグビーで菅平初戦を飾った。

 マンオブザマッチはリッキー。どこまでもひたむきにサポートに走り続け、働き続ける姿は、感動的ですらあった。

リッキー

『仲間のために努力して技能・気持ちをさらに向上させ、これからも柏陽の勝利に貢献できるように頑張ります。』

    

 

2日目 VS 高岡第一高校

 

 スタンドオフにエースを据え、ロングキックで陣地を進め、大きなフォワードのサイドアタックとモールでゲームを組み立てる。つまり、やたら手堅い。それに加え、初戦の東山工業よりもアタック・ディフェンス・個人スキル、すべてが高い。

 キックオフ。より強いプレッシャーの前に柏陽はミスを多発。マイボールラックも出ない。一度相手にボールがわたると、タックルもジャッカルも決まらず、ボールが全く取り返せない。流れがつかめないままノーサイド。0-17、相手がある程度のレベルを超えると、自分たちのやりたいラグビーができなくなる。パス・ブレイクダウン・キックなど、一人一人の基本スキルが足りていないことを痛感させられた試合であった。

   

 

3日目 VS 津高校

 

 いよいよ最終戦。「前日の屈辱を晴らして山を下りる!」体が疲労しているが、顔からは意欲がみなぎる。相手は能力の高いウィングとナンバーエイトを中心にまとまりのあるチーム。波に乗せると恐い。

 キックオフ直後。みっさん・うずら・椿のフロントローが意地を見せる。スクラムを猛プッシュ!この一本のスクラムがチームに勢いと勇気を与えた。この時点で、勝利はおおむね決まったと言っても過言ではない。

 両翼(WTBカズ・タモリ)と切り札(FBまっちゃん)を走らせること、ディフェンスのセット・アップをテーマに臨み、見事にゲームを支配した。19-0、スコア以上に圧倒し、菅平で確実に強くなったことを証明した。

 マンオブザマッチはカズ。「1対1はすべて抜く」のこだわりを超え、ボールを持つと必ず3人は抜き去った。ディフェンスでは完璧すぎるコース取りと激しいタックルで、ピンチの芽をつみ取った。

カズ

『気持ちの入れ様でプレーまで変わることを感じた。

 これからも気持ちを高めて臨んでいきたい。

  

コメント

名前:
Eメールアドレス:
コメント:
ファイル

画像の英字5文字を入力して下さい。:
パスワード: