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元早大主将・現役トップリーガー(リコー)の小森允紘氏が柏陽高校ラグビー部コーチに就任

2006/10/19

 10月18日、元早稲田大学ラグビー部キャプテンで、現役トップリーガー(リコーブラックラムズ)の小森允紘氏が、柏陽Phoenixのコーチに正式就任した。古きよきフォームから繰り出される柔らかなロングパス、触られることなく相手を抜き去る独特の間と感性、体格とパワーに偏重する現代ラグビー界において、知性と巧さで戦い続ける男。柏陽にとって小森氏のコーチ就任は鬼に金棒(いや、今はまだヒヨコに金棒・・・)である。

 

松山  コーチ就任、本当にありがとう。助かります。俺自身、小森から色々と学ばせてもらいたいという気持ちが強いです。

 

小森  いやー、不安だけどねー。いまどきの高校生のイメージもあんまりわかないし。俺も色々と勉強になると思ってさ。でもやれる限りのお手伝いはさせてもらいますよ。

 

松山 柏陽は全員ラグビー歴半年の1年生集団です。どんなコーチングがいいでしょうか。

 

小森 「基本を徹底的にやりこむ」これしかないでしょ。同じメニューでも大切なものは延々とやる必要があるよね。パスとかメイクラインのときの足さばきとか。今の自分の原点もやっぱりそこにあって、高校時代は2時間くらい延々と同じ基礎練習をやらされたおかげで今がある。早稲田でもそうだったし。それをやらせ続けるには、指導者も我慢・根気が必要だよ。今でもリリースのときにミスってボコボコっとボールを転がしてしまったときなんかは、「やべぇ、浦先生(高校時代の恩師)に怒られる」って思いますよ。

(インタビューの前日、関東学院大学卒で現在横濱ラグビーアカデミーの中尾泰人氏から話を伺ったときにも同じセリフがありました。「カントーだって結局は延々と同じ基礎練習を反復してるからね」と。)

 

松山 早稲田名物とも言われるヘッドスピードあたりはどうでしょう?実際試合で起きる状況と違うドリルだという(批判的)解釈もありますが。

 

小森 ヘッドスピードなんかもやっぱ大切な練習だよ。俺が大学1年の頃は、ヘッドで4年のすごい先輩と組まされて、そりゃーもう死に物狂いで先輩達についていったよ。そのおかげで随分自分が高められたと思ってる。同じチームに先輩や足が速い人がいたら、必死でついていかないと迷惑をかけてしまうからね。速い人は速い人で絶対に手を抜かない。遅いヤツは置き去りにして走りつづける。誰もにとって限界まで追い込める練習だよね。「全力でゴールを切る」ということの大切さもヘッドで体に染み付けることができるし。

 

松山 高校時代の一番の思い出は何でしょう?

 

小森 んー、花園(準優勝)・・・思い出っちゃー思い出だけど・・・。うちの学年にクロキって仲間がいたんだよ。だけど彼はなんかずっとうちらの学年で浮いてる存在で。全然いじめてたとかじゃないんだけどね。そのクロキが花園予選まで残らずに春でやめちゃった。それが一番の思い出、後悔かなぁ。何で仲間に入れてやれなかったんだろって。今でも「今ごろあいつ何やってるんだろうなぁ」って気になりますよ。

 

ラグビーを通じてできた絆ってすごいよね。あるチームに入ったらそこで知り合いができて。そこには色々な個性の人がいて、なのに一つの目標に向かって突き進む。早稲田だって入学して行ってみたら同期に20人も30人もいて、名前もすぐに覚えちゃって、今でも付き合い続けてる。強い絆だよね。会社で20人の人と会っても、全っ然名前覚えられないもん(笑)。

 

松山 最後に、柏陽の選手にメッセージをお願いします。

 

小森 いやー、そりゃ無理でしょう。まだ会ってないから(笑)。でもラグビーを楽しんで欲しいよね。今はトップリーグでやってて、ラグビーが仕事みたいに思うこともあるし、嫌な思いをすることもある。でも続けてる。・・・好きなんだなぁってやっぱ思うよ。

 

あとは、ラグビーは人間教育の手段でもあるからね。俺は教員免許もコーチ資格も持ってないけど、今までラグビーでたくさんのことを学んできた。29歳のおっさんと16歳の少年が本気で向かい合える裸の付き合いができるといいな。ラグビーを通じて伝えたことが、その後の人生の記憶に残って、生きていく踏み台にしてくれるといいよね。

 

松山 本当に感謝してます。よろしくお願いします。

 

小森 いやーどこまで伝えられるか不安だけど。精一杯やらせてもらいます!

 

 

 

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