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宿敵・桐蔭中等戦 悲願の逆襲劇!!

2008/09/15

2006年10月16日、当時全員1年生だった柏陽フェニックスは初めての花園予選に臨み、初戦の桐蔭学園中等教育学校にズタズタに引き裂かれた。試合後のゴール裏、選手たちは初めてラグビーで涙を流した。ターニングポイント。それまでの楕円球と戯れていただけの集団が、勝負にかける集団へと生まれ変わった瞬間だった。翌日から掲げたテーマワードは『逆襲』。部室には逆襲の文字の紙が貼られ、いつかのリベンジを心に誓った。

http://hrfc.d2.r-cms.jp/topics_detail1/id=7

試合前日に書いたメンバーの寄せ書き

あれから2年、ついに迎えた最終学年。春の横浜市大会予選プールでラグビーサラブレッドの集まる強豪・関東学院に勝利して1位通過。夏を挟んで先週の準々決勝では、期末試験真っ只中でチーム全体が全くフィットしておらず、しかもエース・カズを欠いて大苦戦。それでも何とか「29-19」で勝ち進んだ。準決勝・相手はあの桐蔭中等。舞台は整った。ゲームテーマは「逆襲劇」。この日ばかりは内容などどうでもいい。負けるわけにいかない。たとえ1点差でも。

 

前日練習のタックル儀式・ジャージ授与と決意表明

11時キックオフ。序盤から柏陽がエリア支配率、ボール支配率で圧倒する。キックオフ以降、10分経過しても15分経過しても柏陽は相手陣で攻め続け、しかし得点に至らない。予想よりも前に飛び出してくる相手DFにはまり、プレッシャーの前に最後はミス。試合から緊張感が全く薄れない。相手のDFも試合を覆う空気も柏陽のアタックも、とにかくすべてが硬い。「これぞ求めていたタイトゲーム!」とポジティブに解釈できなくもないが、一本のミスやインターセプトあたりで流れをさらわれかねない。これだけ一方的に攻めているにも関わらず、不安が消えない。1本が欲しい。我慢と緊張、時間だけが経過していく。

しかし、そのときは来た。前半20分、相手の裏に出たエース・カズが相手主将をスピードで振り切ってトライ。20分間攻め続けた末のやっとの先制点を挙げた。「7-0」で前半終了。

後半もしばらくは柏陽ペース。想定通りのキッキングゲームを挑んでくる相手に対し、夏合宿でキック処理に自信をつけたバックスリーがしっかり対応。神奈川工業戦でボロボロだったキックチェイスの意識も上がり、エリアマネージメントで優位に立つ。後半10分、待望の追加点。敵陣深くからコパが相手ギャップをつき、強靭なドライブで相手を引きずり、インゴールに飛び込んだ。

ラスト15分は一転して中等の攻撃が続く。ゴールラインを背負い、延々と近場をこじ開けようとする中等に、柏陽の低いタックルが刺さり続ける。ゴールを背負っては我慢して我慢してノットリリース。そんな展開が続く。ここまできたら「ゼロ」にこだわりたい。マッチャンやチューを中心に、必死の膝下タックルで応戦。後半18分、やっと中盤まで戻したマイボールできむにぃが相手の裏に出ると、うずら→マッチャンと繋いでダメ押しのトライをあげた。

ノーサイド。最終スコアは「21-0」。ゼロにこだわり、見事に逆襲劇をやってのけた。タッチライン沿いでは、誰よりもこの試合に懸ける想いがあったのに、数日前のアンラッキーなケガで出場できなかったFWの核・リッキーが感極まってしゃがみ込む。「3年の意地」だけでなく、途中交替も含めると実は8人もの下級生が出場。まさにチーム一丸となって悲願の「中等越え」を達成した。

キャプテン・ケイ

「いい試合ができたと思います。勝つことが全てだったから、勝てたことは本当に大きい。今までだったらトライラインを割られていたようなところも、ぎりぎりのところでしのげたのはよかった。価値のある0だと思います。ただアタックは、特にBKのところで甘さが残っているので修正したいと思います。1つ1つのプレーの精度、また裏に抜けたときに取りきれないことが何回かあった。これから勝たなきゃいけない相手は、そういうチャンスを何度もくれない。1試合に1回あるかないかのそのチャンスを確実に取りきれるように、しっかり練習していきたいです。いよいよ次は桐蔭。こんなタイミングで桐蔭とできるとは思わなかった。本当に今から楽しみでしょうがないです。全ては桐蔭戦のために。この雰囲気を楽しんで、最高の逆襲をしたいと思います。」

攻守に渡って信頼度抜群!副将・椿

「まず2年越しの逆襲達成だったのでとても嬉しかったです。しかし内容はFWとしてみれば満足いくものではなかったので、残り少ない期間を精一杯努力してより良いものにしていきたいと思います。」

DFの砦 柏陽の守護神・マッチャン

「やっぱり中等は思った通り、体の小さい柏陽に体のデカイFWをぶつけてくる戦法だったけど、みんな低いタックルでゲインを止めてた。何回かゴール前ですごいピンチになったけどなんとかゼロ封できたのはすごく自信になったと思います。」

1ヶ月ぶりの実戦でも切れ味抜群 エース・カズ

「この試合はチームとして結果を求められる試合だったし、個人的にも今日までのチームからの信頼をプレーで返さなければいけないと思い、人一倍体を張って必ずトライも決めようと決心していた。結果的にチームは勝ち、トライもできたが、状況に応じたポジショニングやプレー判断が鈍く満足いく働きができなかった。残り短い期間でどこまで修正し成長できるかが自分の勝負だと思っている。」

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