修悠館戦 甦った「あの雰囲気」
2009/03/22
12:00、教室にてミーティング。関東予選をどう戦うか、その戦術と方針が示された。そしてこの日の修悠館戦は「意地でも勝ちにいくゲーム」と位置づけられた。当たり前のようでいて、これは実は新チーム初めてのこだわり。これまでは新人戦であろうと、「最後に花開くための実力養成段階」と位置づけ、勝率を無視した修行的戦法をとり(ノーキック、ノーシークェンス、オールクイック)、自力を高めてきた。それに対して「1点差でも勝つ」ラグビーとはつまり、自分たちの強みを出すことだけにとらわれるのではなく、相手や天候にも順応したゲームメイクが求められる。この超荒天。当たり前だが今日は「キックとDF」でゲームを作らなければならない。
14:30、キックオフ。幸か不幸かジャンケンに負け、劣勢覚悟の風下のスタート。ところが試合は意外にも柏陽が最初の10分を支配。スクラムで圧倒してターンオーバー。敵陣に居座り、ほっしゃんのラインブレイクを軸に先制トライを奪った。しかしその後は修悠館が主導権を握り続ける。分かっちゃいたが風に戻されてキックが飛ばず、新チームになってほぼ皆無に近かったキックチェイスはひどくお粗末なもの。フローターが面でプレッシャーをかけられず、相手がステップを切れば体を張ってタックルするどころか目で追って人任せの連続。おそらく相当基礎練習を重ねてきたに違いない修悠館BKは、この荒天でもハンドリングエラーがほとんどない(お見事!)。内からのサポートDFが全く機能しない柏陽に対し、鋭いステップと捕まっても倒れない粘り腰で連続攻撃を重ね、リズム良く3トライを重ねた。前半終わって「5-17」で修悠館リード。内容は最初の10分を除いて完全に修悠館優勢だ。・・・がしかし、これほど強烈な風下で12点程度のビハインド。実は「概ね五分五分のスコア」で折り返せたと言ってもいいだろう。
後半、強風が柏陽を文字通り後押しする。まりものキックは風に乗り、自陣から一発で相手をゴール前に追いやる。キックが風で戻される修悠館は自陣から強引にアタック。しかし柏陽は粘り強いDFとブレイクダウンの優位で、再三にわたってターンオーバーを奪い、敵陣ゴール前に居座る。モールでトライを奪うとFWは完全に勢いに乗り、ラックサイドをこじ開けて追加トライ。キックオフリターンも風に乗せたロングキックであっという間に敵陣ゴール前へ。FWがラックサイドを執拗に攻めると、今度はBKにスペースが生まれ、ギャプを鋭くつき、さらに2トライを追加した。高まるテンションと集中力、一体感。この感覚は久々だ。そう、かつてケイたちが「桐蔭戦」や「桐蔭中等戦」「横浜セブンス」で放った、研ぎ澄まされたあの雰囲気。
「31-24」でノーサイド。もちろん後半は修悠館がメンバーを変えてきたことも大きいが、それでもやはり「スクラムとブレイクダウンの優勢」「風上を利用したロングキック」、そして何より「勝ちたい」という強い気持ちが全員を貫き、一体感と「あの雰囲気」を作り出したことが勝因だろう。
まりも(新人戦以来の復帰戦)
「今日は関東予選に向けて大切な試合だったしチームとしても勝ちたかった試合だったのでチームが一つになって勝てたことはとても良かったです。しかし個人のスキルなどでは通用するところもあるけど通用しないところ(自分としてはロング・プレースキックの精度・判断力・ディフェンス・フィットネスなどなど)ではまだまだ練習と意識が足りないこともわかったので関東予選に向けてもっともっと意識を高くもち責任もって頑張ります。」
ほっしゃん(攻守に渡って爆発的活躍!)
「シード高との対戦ということで正直(やっぱり)びびってました。さらにこのコンディション。しかし今日は試合前の気持ち作りが違ってました。いままでの一人一人、そしてチームのスキルアップのための試合ではなく勝利という結果を求めた試合。とても激しいゲームの中でチームの気持ちが一つになったから勝利することが出来たと思います。個人的には前半の始めはタックルやジャッカルも決まり、ボールをもったときもいいアタックが出来たと思います。が、しかし明らかなフィットネス不足。いいプレーを試合中やり続けられるようにフィットネスをもっと頑張ります。」
少年自衛隊の歌?を堂々と斉唱
木曜からは春休み。いよいよ春の集中強化期間が始まる。学校独自のルールがあるため、私立や他の県立強豪校のように県外で合宿を張ることはできないが、過去3年間で最もハードな練習計画に挑む。ついに雰囲気を帯びてきたPHOENIXⅡほっしゃん組。4月19日に泣くか笑うか。勝負の春が始まる。
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