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富士登山09 未体験壮絶空間・・・

2009/07/20

 7月19日、今年もやってまいりました富士山。思い返せば1年前、「ボーイスカウトで鍛えた実力を見せ付けてやる」と息巻いていたほっしゃんが「大ブレーキ+高山病+携帯電話紛失(機種変後3日)」という踏んだり蹴ったりの目に遭うが、総じて楽しく日本の最高峰に立つことができた。

 「今年は誰がブレーキかな?」と笑い話をしながら7時40分に御殿場駅集合。登山バスに乗車。ところが須走口5号目に向かってバスが一向に進まない。路上駐車が数キロに渡り道路片側を占拠し、バスは立ち往生の連続。昨年50分間で着いた須走口まで、今年はなんと1時間50分もかかってしまう予想外の事態となってしまった。つまり昨年の1時間遅れ。10時20分、5合目で30分間とる予定だった高地順化も省略して登山を開始した。迫るタイムリミット、焦ってスピードを上げると襲い掛かってくるに違いない高山病。求められる冷静さと勇気ある決断(行くも戻るも)。呼吸法を意識しつつ、他の一般客よりはるかに速い足取りで山頂を目指した。

 7合目までは全員余裕。柏陽生らしい?英単語問答などでおしゃべりをしながらサクサク。ジリジリと照りつける日差しに大汗をかき苦戦した昨年とは打って変わって今年は清涼曇天。振り向くと心が癒される美しい湖の景色。心地よいミストのおかげで地面(砂利)もしっとり。踏み出せど滑って登れなかった昨年にくらべ、グリップがしっかり効いて登りやすい。「今年は楽勝?」そんな気持ちは8合目あたりで暴風により吹き飛ばされた・・・。

 さっきまで心地よかったミストは、牙を剥く暴風ミストへ変化。気を抜くと体ごと吹っ飛ばされるほどの強烈なパワー。山道の谷側を歩くことは絶対厳禁だ。視界も決して良好ではない。実は今年の富士山は雪が解けず何年ぶりかに山開きが遅れる異常事態。つまりは過酷な寒さ。Tシャツで登った昨年とは異なり、防寒着をしっかりとまとわなければ、歩けど歩けど体温が下がっていきそうなほど。この1週間で起きた2つの登山事故ニュースが頭をよぎる。会話をしている余裕などない。暴風で呼吸法すらままならない。「突風!!」「シンク!(身を沈めろ)」の警戒声がパーティー内に響き渡る。足取りはまるで「コラプシングされないように慎重に力強く一歩一歩モールを押す」が如く。

 14時40分、スタートから4時間20分で頂を制した。が、昨年のように下界のパノラマビューを堪能したり、お鉢(噴火口)を歩いてみたりという状況ではとてもない。暴風は超暴風へさらに変化。膝を伸ばして突っ立とうものなら一瞬でぶっ飛ばされる。記念碑の前で集合写真を撮ろうとしたが、どんなに踏ん張ってもとても立っていられないので断念。デジカメを手から離すと、おそらく宙を舞って上空へ消え去ってしまうような感じ。山小屋で食事をとり気力体力を回復させる以外の選択肢はありえない。

 15時30分、円陣(らしき無秩序だが固く結束した塊)になって校歌を絶叫。「気合入れて下山するぞー!オッシャー!」の雄叫びで下山開始。というよりこの壮絶空間からの逃亡を開始した。「山側通行・身を低く・そして素早く」を意識して一気に8合目まで突っ走った。

 無我夢中で20分程度経過。・・・???空が青い?湖の景色?風は?見上げると山頂は相変わらず悪魔のような不気味な雲に覆われている。そう、あっという間に暴風ミストエリアから脱出していたのだ。パーティー内に笑みが戻る。あとはサクサクと須走口名物の砂走りを楽しみながら、あっという間に5合目着(17時30分)

 今年も富士登山は無事終了。言葉で表現するなら、昨年は「達成と歓喜」、今年は「未体験壮絶空間」というところか。保護者の皆様、ご理解ご協力まことにありがとうございました。そして、体力・気力・根性・協力心・連帯感、たくさんのものを引き出してくれた富士山に感謝。あなたはやはり日本一です!

(以下、薫山体験記)

 「富士山はマジでやばい」全員がそう言う日本一の山に今日は登った。前日の映画「踊る大捜査線」を最後まで観てしまい、寝不足ではあるが、気持ちで負けてはいけないと意気込んで登ろうと思ったものの、初っ端からバスが途中で止まってしまい、予定の1時間遅れでスタートした。

 最初の5~6合目は余裕しゃくしゃくで勉強しながら登れるほどであった。6合目を少し過ぎた辺りから、徐々に疲れが出てきたが、まだ綺麗な景色に助けられていた。しかし7~8合目にかけて霧と風が増してきて、時折吹く突風に煽られ、なかなか前に進めない。8合目に到達すると、そこから頂上まではほぼ休みなくかけ登った。濃霧で先は全く見えず、激しい風で息をするのもままならない。まさに試練だ。「あともう少し」という下山者の言葉だけを頼りにひたすら登ると、見えて来たのは2体の狛犬。遂に頂上にたどり着いた!
 そこで待っていたのは温かいラーメンやおでん。ゆっくり食べて、休もう‥‥なんて甘いことはなく、開始が遅かった分早く下山しなければならなかった。今日1番の風で立つのもやっとの中、校歌を歌い、一気に下山した。
 登ってみて思うのは、「富士山は見るのが1番」ということだ。高山病の人や両足がつる人が出た。「どうして現場に血が流れるんだ!」いやいやこんなにきつけりゃ血も流れますよ青島さん。

 

(以下、シュン)

 初めての登山だったので、楽しみにはしてました。ただ、「山に登るだけ」と日本一の富士山を甘く見ていたのは事実です。超早起き&バス車内2時間立ちっぱなしは、肉体的,精神的に辛く、そこから気持ちが折れかけてました。案の定高山病になり、先生にもみんなにも迷惑をかけて...。一人だったら、絶対に頂上まで行けなかったと思います。帰りは行きほど辛くなく、行きの苦しさが嘘のようでした。ただ、靴に石が入るのだけは、鬱陶しかったです。なんだかんだで、富士登山は思い出に根強く残ると思います。今後は迷惑をかけないよう、またラグビーに力を入れていきます?

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