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PHOENIX第4期・入部式

2009/05/17

 5月17日、予報では絶望的に思われた天気も何とか持ちこたえた曇り空の下、2009年度入部式が行なわれた。新入部員は10名。体こそ大きくないものの、柏陽PHOENIX初のラグビー経験者カリブをはじめ、サッカー、陸上、野球、木琴?など、個性豊かなメンバーが揃った。一通り基礎プレーの練習をした後、保護者と上級生の見守る中、入部式&1年生タッチフット試合。まずは入部式。昨年の入部式自己紹介(現2年生)は、何ともモジモジした態度で頼りなさげなものだったが、今年は迫力十分。先頭のシュンがハキハキと立派な自己紹介をしたのをスタートに、全員が堂々とした声で自分を表現した。

 

 キャプテン・ほっしゃんからの挨拶、校歌の後は、いよいよタッチフット試合。ブルーズ(青)のキャプテンはカリブ、レッズ(赤)のキャプテンはシュン。この日の試合に勝つべく、2日前から戦略やサインプレーを準備してきた。試合はビッグロックの先制トライを皮切りに、上級生もうなる?ハイレベルな展開。突破によって生まれたスペースにサポートが走りこみ、そこで生まれた新しいスペースに正確なパスで展開するなど、この1ヶ月の練習の成果をいかんなく発揮した。

 後半残り1分、ブルースは外で2対2の状況を作ると、オックがマークを一つずらしてトライメイクパス(テツは2トライ目)。対するレッズはロスタイムに絶妙のカットアウトでグッキーが40mを走りきり同点トライ。カリブ以外も経験者?と思わせるほど様になったタッチフット試合は、3対3でタイムアップを迎えた。さて勝負はコンバージョンキックへ。両チームキャプテンが1本ずつキックを行い、正面に立つ柱に近いチームの勝利。結果は・・・。すべて下の写真が物語ってくれる通りとなった。

カリブ

「今日のタッチの試合では、肝心なところでパスミスをしてしまい、全然ダメだったので、パスの正確さを上げて、チームに貢献出来るようになりたいです。もっと走れるようになり、チームを引っ張っていける選手になります。」

シュン

「今日の入部式で、やっと柏陽ラグビー部の一員になれたと思います。打倒桐蔭を掲げたからには、それを実現するための努力を3年間続けるつもりです。よろしくお願いします。」

サッチ

「このゲームに向けて考えた作戦が成功したことは大きな成果だった。課題はパスやディフェンスや走り込む角度や体力等、基本的な事が出来なかった点。今はルールや基本的な技術をしっかり、丁寧に覚えて、段々と自分らしいプレーができるように努力をしていきます。」

ヨッシー

「今日はとても楽しくできて良かったです。自分の練習の成果がパスなど細かいところででているのが体で感じることができました。部活や学校生活など一分一秒を大事に文武両道を目指して頑張っていきたいと思います。」

ビッグロック

「柏陽高校ラグビー部に仲間入り出来た事を嬉しく思います。まずは経験者の人たちの指示に従い足を引っ張らない事が自分のすべき最大の任務だと思います。いつも声出しが忘れがちなのでこれからは意識していきたいです。よろしくお願いします。」

オック

「今日は、自分たちが4月から成長していることを実感できました。先輩たちの校歌で迎えられ、正式に入部できて嬉しいです。これからもこの仲間で協力し合い、自分たちの代でも大会を勝ち抜けるよう頑張ります。」

テツ

「 試合には負けたけど、とても楽しかったです。トライした時は特に気持ち良かったです。抱負は、試合の中でのプレーの幅を増やしていきたいです。あとは、体をつくることです。」

グッキー

「今日の感想は…疲れました。 五分しかやっとらんのにダルいっす。まあ今後はスタミナをぼちぼちつけてこうかな~という感じで。パワーでは絶対勝てそうもないのでちょこちょこ動きつつそれを持続できるように頑張っていきますデス。」

カワッチ

「タッチフットをできなくて本当につまらなかったので早く肉離れをなおしたいです。そのほかの練習は先輩が丁寧に教えてくれたので勉強になりました。今後はけがしていてもみんなと差が出ないよう筋トレやパスなどを中心に楽しくやれるといいと思っています。」

マナ

「今日、保護者の方々を見て、柏陽のラグビー部は、たくさんの方々に支えられて出来ていることを知り、嬉しく思いました。これから私は、少しでも早く部員さんが頼れるマネージャーになるよう、頑張りたいと思います。」

 

 昨年も同じことを書いたが、ラグビーという行い自体はハードだ。きついときもある。痛いときもある。しかしそれらを補って余りあるほどの、深い味わいがある。初対面の相手でも「え?ラグビーやってたの?実は俺も・・・」というだけで、もう肩を組んで飲みにいきたい気分になる。世界のどこにいても「ラグビー」という単語だけで、異常なほどの同朋意識が生まれるのだ。100m×70mのグランドで大小太細速遅敏鈍剛柔巧拙強優、30の決して似つかわしくない個性が一つのボールを追いかける。誇り、絆、勇気、責任、自己犠牲、連帯、意気、歓喜、狂気、妙味がグランドを覆う。

以下、私の師でありスポーツライターの藤島大氏のコラムより引用

フランスの国語のテキストとしても用いられているラグビーについての一節。

「激しい肉体接触のさなか、フェアを貫く理性はあくまでも要求される。小さなインターバルの連続は、いくばく可の考える時間を与え、つまり、考える人であることを強いる。あなたは骨と肉を狂気にしなくてはならない。しかし、あなたは哲学の学徒でもあるべきだ。ラグビーとは、人間が本物の人間である為に不可欠な、すぐれて教育的スポーツだ。なぜ、サッカー王国ウルグアイにラグビーが存在し続けるか。それはカトリック系の私立学校には、子弟の人格教育の手段としてのラグビーフットボールを放棄する気はまったくなかったからだ。してはならないこと。しなければならないこと。すべてのラガーマンは、例えば自分より10キロも重い宿敵が眼前に迫るトライライン直前にて、それを知るのである。」

1年生へ

 今日、この日がスタートライン。歩みだしたからには、決して道半ばで投げ出さないで欲しい。人間は「諦める癖がつく」生き物だ。すぐには上手くいかないさ。時には辛いし、時には痛いし、時にはやっていく自信を失うこともあるさ。でも諦めないで欲しい。投げ出さないで欲しい。「誰のせいにもせず」「自分を勝手に見くびらず」「楽しむ心を持って」突き進んで欲しい。上級生を見て欲しい。みんなスタート時点ではもっと弱かった。すぐに逃げることやサボることばかり考えていた。投げ出そうとしたことだってある。それでもラグビーを続けてきた。そして今、誇りや責任、絆や人間力、感謝や感動、その他たくさんの一生モノの宝物を手に入れかけている。人生苦しいときが上り坂。きついとき、悩んだとき、つまりピンチこそ「今がチャンスだ!」と考え、目の前の壁と自分の限界をぶち壊して欲しい。

「ラグビーは少年をいち早く大人にし、大人に永遠に少年の魂を抱かせてくれる」

元フランス代表主将 ジャン・ピエール・リブ

さぁ、腹をくくってラグビーライフをエンジョイしようじゃないか!

 

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