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菅平合宿2008(後半) 「ベスト8ゲーム」

2008/08/13

3日目午前 VS早稲田大学高等学院

日目の午後は、東京都の伝統校・早大学院だ。学習院は「リベンジマッチ」だったが、早大学院戦は柏陽が花園予選でシード校を倒すための「ベスト8ゲーム」と位置づけ、夏の大きな目標としてきたゲーム。一昨日の合同練習で相手のポテンシャルとチームとしての精度の高さは体感済みだ。相手から格下に見られていることも何となく感じている。構図は単純明快。我々はチャレンジャーだ。

1030分キックオフ。開始早々、柏陽らしさが爆発。カズの積極的なカウンターでノーホイッスルトライを奪う。キックオフリターンからトライを連発。セットサインでもケイが相手に触られることなくトライ。柏陽らしい超展開ラグビーで相手を圧倒した。

ここまでは前日と同じだが、この日はDFが光った。練習してきたDFのセットが全く崩れない。タックルも常に複数で再三のターンオーバーを奪った。コパの安定感抜群のフィールディングとキックも冴え渡り、エリア争奪で完全に勝っている。前半終了して「38対7」会場に詰め掛け数十名にものぼる学院関係者(OB・保護者)が、予想外の展開でリアクションに困っているのが伝わってくる。

うずら(写真)

「試合は完勝。スクラム完敗。石嶋さんにコーチングしてもらってからここまでスクラムをコントロールされたのは初めてでした。悔しい。100%ボコボコにできなかったのが心残り。でも他の部分は夏休みずっとやってきたことを出せたし、本当にベスト8並みのゲームができたと思います。1年前の菅平の時より本当に強くなったなぁーと感じる試合でした。」

後半開始。ここで崩れたら前日の同じ。「最後までベスト8ゲームを」と、最後まで空気は緩む気配がない。途中、オギからイマカズへ、きむにぃからまりもへと交替したが、そん色なし。終わってみれば「52対14」。取られたトライはELV(新ルール)絡みの気にならない失点のみ。ターゲットとしていた「ベスト8ゲーム」を完全な形で制した。

 

下級生試合は経験の差でトライを取られ敗戦も、大きなターニングポイントゲームとなった。「痛いかも恐いかも」を卒業し「行くんだ!」の覚悟ができるか。トキやあっきなど2年生もかつて最高のタックル。多くの1年生がふっきれたように、タックルに行き続けた。タックルは誰だって恐い。しかしその恐怖心を捨て去ることができるか。自分を突き動かすものは、勇気、誇り、責任感。「ラグビーは少年をいち早く男にし、男に永遠に少年の魂を抱かせてくれる」フランスの英雄・リヴの言葉ではないが、この日下級生は大人の男の顔に確かに近づいた。

攻守の要・まっちゃん

 

午後はみっちり練習。写真はウォームアップサッカーと罰ゲーム

 

4日目午後 VS浜松湖南高校

日目、午前中に存分に走りこんだ午後、いよいよ最終戦・浜松湖南高校との試合が行われた。相手は昨年の花園予選静岡県大会で準優勝。とはいえ静岡県のレベルは?なので、実力は測りづらい。細田学園、学習院、早大学院に大勝し、4連勝で合宿を締めくくるためにも負けるわけにはいかない。

ウォームアップ開始。「とてもよく考えているいいチーム」と紹介されたがその通り、アップから練り上げられたアイデアがふんだんに散りばめられている。こちらのラインアタックを見ては「あそこからあのポジションが入ってくる」「ラインアウトサインが解読できなかった」などの声が聞こえてくる。

 

キックオフから5分。小森コーチと顔を見合わせる。「すごいね・・・」「なるほどね・・・」昨年度静岡県準優勝の理由がよく分かった。柏陽の必殺サインがことごとく止められる。早大学院から52点奪った柏陽アタックが通用しない。フェーズを重ねてもDFに穴ができる気配が全くない。一瞬裏に出られた数回も、未体験のスピードで襲ってくるカバーDFの餌食になる。そのプレッシャーの前にハンドリングエラーを連発。前半、たったの一度も自陣に入れることなく攻め続けたが、奪ったトライは1つ。「5対0」で前半終了。夏合宿初めての痺れるようなタイトゲーム。これぞ「ベスト8ゲーム」。「求めていたのはこんな試合だ。この厳しい展開を楽しもう!」いい緊張がほぐれることなく後半開始。

 

後半開始早々、浜松湖南の逆襲が開始。セットから工夫されたサインプレーで大きく展開。信じられない初歩的なDF判断ミスで一気にゴール前へ攻められると、あっという間にトライラインを陥れられた。「5対7」この夏合宿初めてのリードを奪われ、柏陽は追う展開となった。

ここでチームを救ったのはコパ。スピードとパワーを兼ね備えたランニングで、湖南DFを一人で突破。一旦ゲインを切ると、この合宿で冴え渡るサポートラッシュがリズムをつくる。SO・きむにぃがボールを下げないアタックで相手陣に深くに入り込み、やっと湖南の強靭な我慢をブレイク。「24-7」でタイトゲームを制し、合宿4戦全勝を果たした。

コパ(写真)

「チームがよく機能して勝つことが出来たが、個人的に自分のキックミスからトライを奪われてしまった。これからは小さい1つのミスが許されない試合が続くので、この合宿の結果に慢心せずに細かいところを煮詰めて行きたい。」

ケイ

「合宿最終戦となる浜松湖南戦。相手は静岡2位ということを聞いてみんな前日からいい緊張感をもって臨めてました。始まってみるとやっぱりDFがしっかりしていて簡単に点は取らせてもらえませんでしたが、負ける気はしませんでした。あのレベルのDFを相手にどう切っていくかがこれからの課題になると思います。この試合で出てきた一体感を大切に残りの期間を1日1日大切に過ごしていきたいと思います。」

続く下級生試合、まりものバランス感覚に優れたゲームメイク、トキの重い突破を軸に、ノブナガ、マニアックらの堅実なサポートでトライを重ね、トライ数「22対0」で完勝。笑顔の記念写真となった。

「ベスト8ゲーム」を求めてきた今年の菅平。柏陽よりもひたむきだった細田学園、意地と気合で追い上げてきた学習院、スクラムとラインアウトでは柏陽が手も足もでなかった早大学院、完成されたDFの浜松湖南。他県のチームとの対戦はやはり面白い。4戦全勝の中にも課題と教訓は見つかった。「菅平でラグビー」という幸せすぎる5日間はあっという間に終わった。来月はついに最後の戦い・花園予選が開幕する。全部員1年生でスタートしたフェニックス1期生。3度目のシーズン、今まで数々の思い出と戦績を残してきたが、泣いても笑っても今度の大会で終わる。残された時間は瞬きほどの間に過ぎない。

3年生はこのメンバーで登る最後の菅平。

女子マネ集合写真ではありません。ラグビー菅平は楽しめましたか?

BBQ恒例日本昔話盛り 昨年はぴーがダウン寸前まで追い込まれたが・・・。

MVPは将軍、椿、トキ、MG二人、大瀬コーチ特別賞はほっしゃん

最終日の朝は今年もダボスで校歌斉唱。幸せなひと時です。

 

早大見学。中竹監督の計らいで、グランド内まで入って間近で見学。

右写真は中竹監督から早稲田ラグビーについての説明を受けるケイ。

 

こっしー(左写真左)

「3度目の菅平…行って来ちゃいました(●-∀-)v笑 やっぱり何度行ってもいいところでしたね~。あの景色もあの坂道もあの暑さもまた懐かしく、そしてきっともう本当に菅平には来ないんだなぁ-と思うとなんだか寂しい気持ちにもなりました。ホントに行く直前まで行くか行かないかずっと迷っていましたが、やっぱり行って正解でした(^ー^)/ みんなで最後の合宿いい思い出を作れたと思うし、試合の結果も4戦4勝という素晴らしい結果だし!! 3年生はこれからもいろいろたいへんですが、頑張っていきましょ(・∀・) ラグビーの聖地・菅平。3年間ホントにお世話になりましたm(_ _)m」

ほっしゃん(右写真)

「去年の合宿はケガでできなかったので実質今年が初めて。連続で試合はとてもハードだったけど新しいサインを試したりとチームで得たものも多かったし何より俺個人に足りなかった経験をたくさん積めました。最後に賞?も貰うことが出来たしとても充実した合宿になりました。」

椿

「去年は合宿前にFWのメンバーが沢山やめて毎試合出場しなければ試合ができない状態だったのでとても辛かったのを覚えています。しかし今年は頼もしいFWが沢山いるので自分が出る試合にとても集中できました。試合の内容はセットプレーでは勝ったり負けたりでまだまだ安定感がないので今後はより安定するようにFW全員で作り上げていきたいです。フィールドプレーはFW全体としてはブレイクダウンやサイドディフェンスなどもしっかりとできていたので良かったです。個人的にはもっと走って仕事の質を上げられるように頑張りたいです。最後の花園予選まではもう限られた時間しかないけどその時間の中で精一杯努力して最高のものを作り上げていきたいと思います。」

 

将軍(左写真中央)

「初めて菅平に行き充実した5日間を過ごすことができました。菅平はラグビーの店がたくさんあり、さらに涼しくラグビーをするには最適な環境でした。菅平で何試合か試合をし、自分の納得できるプレーができなかったけどここで得た経験をこれからの練習に活かしていきたいです。」

MVP・トキ(右写真)

「合宿はきつかったけど楽しかったです。試合では夏休み練習ことが少しできたんでもっと出来るように頑張ろうと思いました。花園予選に合宿の経験を活かしたいです(^-^  」


大瀬コーチ
合宿お疲れ様でした。この合宿にて県外のチームと試合をすることに試合結果以外のところで勉強になったことがたくさんあると思います。浜松湖南高はみていないのでコメントは控えますが、早稲田大学を思わせるセットの早さをみせた早大学院高、常にひたむきなプレー・意識でいる細田学園高、ゲーム前の気持ちの作り方が非常にうまく、ややもすれば圧倒されかねない学習院高。それぞれのチームカラーが全面に出ていました。貴重な体験です。私も刺激を受けましたし、勉強になりました。また、個人でも勉強になったことがたくさんあるかと思います。この菅平で自分がどうなりたいか、どう変わったか、何が出来たか、できなかったかこの菅平で得た経験を秋の大会で体現してくれることを期待しています。
 
小森コーチ
「夏合宿、選手のみんな、そして女子マネの二人、御父兄の方々本当にお疲れ様でした。とにかく素晴らしい合宿が出来たのではないかと思います。オリンピック?甲子園?目じゃありません。
 彼らはまた一歩大人の男になりました。彼らはどんな大学に行っても通じるプレイが出来ます。て誉め過ぎかなぁ。春の大会は惜しくも力の差があり負けてしまいましたが、そこからの成長が本当に凄いです。春の大会後言ったかもしれませんが、もう一度言います。この夏でぐっと力が付きます。本当のラグビーの面白さが分かってくると思います。とくに三年生…わかるよね。
 でも、夏合宿を終えて、もう一度考えてみてほしい。君達の目標がなんなのかを。チームとしての力はすごく上がったと思うけど、個人ではどうか?今、この一瞬は二度と戻ってきません。自分はやれるだけやってるか?DFを外して迷惑かけてないか。体力がなくてポイントにいくのが一瞬でも遅れていないか。下級生も先輩に頼り切っていないか…。一人一人がもうワンランクステップアップしよう。
 そしてイメージしよう。花園予選で快進撃している柏陽高校の姿を。君達が主役です。でも、負けたら僕も悔しい。皆が闘っているときは僕も一緒に闘っているから。ここからが勝負です。書いてて学生時代に何度も奮起させられた言葉を思い出しました。それを締めの言葉とします。
「自分の限界を自分で決めるな。」
期待しています。」

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