菅平合宿2008(前半) 「大逆襲」
2008/08/13
1日目 菅平到着・合同練習(早大学院)
今年もやってきました夏合宿。3年生にとっては高校最後の菅平。決して開かれることのない無駄な受験参考書をスポーツバッグのサイドポケットに詰め込み、期待と不安とワクワク感を胸に、横浜を出発した。午後3時半、都内の渋滞で予定より3時間で遅れとなったため、宿舎でなく直接練習グランドに到着。合同練習の相手・早大学院を1時間も待たせてしまっていたので、バスから降りるや否や20分でアップを完了し、練習を開始した。
合同練習は15対15のアタックDF(コンタクトなし)、FWはラインアウト、BKは1次の抜きあいを行なった。15対15ではキックプランとDFを確認し、しっかりと手ごたえを掴んだ。ラインアウトは相手のスピードとスキルに圧倒されたが、BKの抜きあいは対等以上に戦うことができた。最後は1年生試合。19名いる相手に対して柏陽の1年生は9人。残りの6人を2年生で補うかたちでの試合となった。内容は一進一退。2年生がいる分コンタクトシチュエーションで安定した球を供給し、オギやイマカズが走り回る。しかし最後を取りきるスキルがまだなく、トライ数「2-1」でノーサイド。2年生が入ってこのスコア、2日後に対戦する早大学院が、やはり手ごわい相手であることを体感した。
ノブナガ(右写真)
「初日いきなりの1年生試合。渋滞でグラウンド直行と聞き車内ののんびりムードは一変。しかも相手はあの早稲田。試合は高地のせいか、長旅のせいかまったく走れなかったです。あと、みんなデカかったです。頑張って体重増やそーと思いました。身長も伸びたらいいなーと思ってます(笑)」
2日目午前 VS細田学園
この日のスタメンは完全Bチーム。前日とは異なり相手はもちろん3年生もいる。ラグビーに対して真摯で気合の入ったいいチームだということは、前年の対戦で分かっている。格上へのチャレンジだ。
キックオフ直後から、柏陽がボールを大きく展開するアタックで相手を崩す。まりもは攻めるところとエリアをとるところを的確にコントロールして巧みにゲームメイクし、うみさんやミットの突破を軸に、オギらフィニッシャーがトライを重ねる。「26対5」で前半終了。
しかし後半は一転、細田学園がゲームを支配する。前半の大量リードで甘さが出たのか、自陣から無謀に回しては刺さられ、また回して刺さられ、チームは体力消耗と自滅の一途をたどった。アタックではサボってポイントに寄らずにターンオーバーを繰り返し、スクラムは気迫もなければ形もスキルもなし。FWは全く走れず、BKはザルのDF。結局後半だけなら「12対19」、トータル「38対24」でノーサイド。
「ひたむきさで全然負けてたね」ゲーム後に小森コーチから厳しく評価されたとおり、ひたむきさやラグビーへの真面目な想いという面では、100対0級の完敗だった。1年生中心のベイビーフェニックス、甘さばかりが目立つ、苦い経験となった。
やっさん
「合宿初戦の細田学園戦。スコア上は勝利したけど「ひたむきさ」という面で負けていた。ケガからの復帰戦でもある自分がフィットネス不足だったのもその原因の一つかもしれないが、前半にリードしていても「ひたむき」に柏陽ラグビーをすることができなかった。今後目指すところは接戦になる試合ばかりだと思う。その時にこの「ひたむきさ」はすごく重要だと思う。合宿おわって花園予選まで残りわずかな時間をみんなとひたむきに柏陽ラグビーをしていきたい。」
宿舎の様子↓
11人部屋です・・・。
2日目午後 VS学習院高等部
午後は待ちに待ったリベンジマッチ。相手は学習院高等部、昨年の夏合宿でなす術なく叩きのめされた相手だ。この試合に勝たなければ3年生にとっては二度と借りを返すことができない。ウォームアップを見る限り、学習院らしさは全く変わっていない。神奈川では見ることができないほど気合の声を全員で発してくる。気合でくる相手に対して冷静にかわすを考えてしまっては勝負にならない。気合でくる相手にはそれを上回る気合で叩きのめす。それだけがラグビーの常套手段だ。
双方気合に満ちた状態でキックオフ。開始早々、柏陽の連続攻撃が続く。10分でどれだけのアタックをしかけただろうか。20~30のアタックフェーズ、つまり柏陽が攻め続けるが、学習院DFに穴ができない。昨年、組織的なピラーDFを敷かれ、同じ状況で手も足も出ずに破れた姿を思い出す。
しかしここから柏陽は進化を証明した。フェーズアタックのリズムをクイックとスローで使い分け、ステイ気味のDFはこう破るとばかりの攻撃選択でゲインラインを突破した。ワントライを皮切りに試合を完全支配。試合後に「東京都のチームではまずありえません」と相手コーチに言わしめた柏陽独自のゲームメイクを展開。チューが、どきんちゃんが、ケイが、カズが、次々にトライラインを落としいれ「40対0」。前半終了時点でワンサイドに勝利を決定付けた。
どきんちゃん(右写真)
「ゲームの出来は良かったとはいえないものだったし、個人的には反省ばかりだった。それでも去年どう攻めるかも守るかもわからず、全く歯が立たなかった学習院に逆襲出来たことは良かったです。」
後半はイマカズ、うみさん、まりも、タニなど経験が必要な下級生を投入。どこまで踏ん張れるか期待がかかった。しかし、ほぼBチームとなったBKラインと前半のトライラッシュでフィットネスの切れたFWは完全に崩壊。次々とラインは破られ、「47対29」でノーサイド。その後の下級生試合(25分×1)では、中等部からの大量ラグビー経験者を揃える相手に、必死で応戦するも経験と基礎スキルの差は歴然。「0対12」でノーサイドを迎えた。
「頑張ってきた下級生だから、何とかできるんじゃないか」という期待はAゲーム後半に大きく崩れ、続く下級生ゲームではスタート地点はやっぱり相対的に低いという事実を突きつけられた。午前同様、なんとも後味の悪い午後。しかし昨年まったく刃が立たなかった相手に、前半だけで「40対0」という結果を出して大逆襲を達成したことは、紛れもない事実だ。自信と猛省が入り混じる中、夏合宿二日目を終了。
朝の風景 6時半から目覚まし練習。
大自然へスタージャンプ(左写真) 夜は毎晩ミーティング(右写真)
「ほんとシャミってませんよ!」
注釈
「シャミる」=ラグビー界でよく耳にする用語。正式には「三味線を弾く」
意味:「やれないほどは痛くないのに、痛い振りをしてサボる。」
使い方:「シャミってんじゃねーよ!」「あいつシャミオだよ」など。
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