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真夏の3連戦。VS横須賀・大磯・愛川

2008/07/31

夏のフィットネスクールとDFクールが終わった730日・31日、今の状態を知るための3連戦が行なわれた。30日土曜は横須賀高校との下級生試合。特に1年生にとっては経験こそが財産。ほっしゃんやあずきといった軸を後半に配置し、1年生全員が先発メンバーとして出場した。対する横須賀高校は逆の配置。県を代表する2年生エースプレーヤーなどが前半に出場し、後半は1年生のみの編成となった。

 新チームになっても県立ナンバー1を意識しあうライバル関係でいられるのか、柏陽にとっては特に前半が勝負だった。結果は残念ながら力負け(5-15)。ゲームの入りから雰囲気がぬるく、ファーストタックルがどこまでの甘い。試合でタックルを成功させた経験すらない1年生が9名。だったら2年生が体を張って「これがタックルだ」と見せ付けなければいけなかった。が、その2年生にスイッチが入っていない。やはりこれも、絶対的な存在である3年生の陰で安住し、当事者意識や危機感を持ちきれていなかったということか。

  

まりも(左写真)

「やりたいことの一つの自分で勝負することができたのは良かったです。が・・・キックはありえないしパスは前に行くしで最悪。練習と意識がまだまだ足りないなぁと痛感した。この夏空いた時間に基礎練やるのみです。」

チマオ(右写真右)

「今日は初めてPRとして試合に出れたけどせっかくのスクラムで自分の今まで練習してきたものが出せなくて残念だった。最後にスクラムの練習をさせてもらったがヒットも押しも完敗していたのでもっと力強いスクラムを組めるようになります。」

 後半はワンサイドゲーム(35-0)。後半から出場したあずきがテンポ良くボールを供給してラインのリズムをつくった。リーサルウェポン・ほっしゃんも貫禄の大爆発。25分間で5回のビッグゲインと3回のターンオーバーゲット、格の違いを見せ付けた。マンオブザマッチはNO8・リョウ。異次元の運動量と寄りの速さを見せ、強烈にAチーム入りをアピールした。残念ながら試合後に残ったのは、やはり前半15分の後悔だけ。2年生の配置が逆になってしまったとはいえ、現時点で下級生チームは横須賀高校のほうが格上であることを肌で感じた。

リョウ(写真中央)

「今日の試合は二年生としては完敗。最初の十五分で二トライもされてたら完敗としかいいようがない。やはり最初は誰かがリズムをつくってくれないと自分達のペースにならない。それをつくってくれる三年生は今日はいなくて、二年生がつくるべきだったんだろうけどできなかった。二年生は自分含め全体としてなにか試合に気が入ってないきがする、そこをもっと意識高く変えていきたい。全体としてはタックルは全くダメだったけどサポートとかブレイクダウンとかつうじるものもあり、たくさんの事を一年、二年は得られたと思う。今日は自分の代は横須賀に完敗だったけどまだ終わってるわけじゃない、これからの練習でもっと意識高くしてライバル校としてやっていけるよういっそう頑張りたい。」

とはいえ、1年生の試合経験は大きな財産となった。まりもはラン・キック・パスを絶妙なバランスで使い分け、相手にDFの的を絞らせなかった。オギは1年生同士なら圧倒。ラインブレイクとトライを重ねた。他にもノブナガは12回のスイープというチーム2位のワークレートを残し、信頼と自信を築いた。

オギ(最上部写真・左)

「今日の本当の勝負は前半15分。そう分かっていながら、前半はしたいラグビーが出来なかった。ラインが浅く、なかなか外までボールが回せなかったり、サインプレーも思ったようにうまくいかなかったり……。でも後半、気持ちを切り替え、一人一人がさらに本気になって闘争心に燃えてて…後半は、前半とは違うラグビーができた。後半の気持ちでなら、横須賀フルメンバー相手でも、絶対いい勝負が出来ると思うし。試合後の帰りの電車……チマ男に、今日タックル入れた?と聞くと、『セカンドタックルが……』って言ってて、DF期で練習した成果がしっかり出てるんだなぁって思った。やっぱ一つの練習、一つの知識でだいぶ変わってくるだろうし、だからこそこの夏休みは、全部の練習に参加して、大きく成長したいと思う。」

翌日31日はダブルヘッダー。15分ハーフで大磯高校と1試合、その後に同じく15分ハーフで愛川高校と1試合を行なった。この日は3年生が参加して2チーム制。大磯戦はベストメンバーをベースにしながら、前日に十分な結果を残したまりもとノブナガが、1年生ながら抜擢された。

 2試合ともテーマは同じ。フィットネスクールの成果を見せるべく、オフロードパスとクイックラックを駆使してテンポを極限まで上げた高速ラグビーをすること。DFクールの成果を見せるべく、3種類のターンオーバースキルを駆使して相手ボールを奪い返すこと。内容は十分合格点(大磯高校戦は730、愛川高校戦は740)。

椿(写真右)

「今日の試合は1番での仕事もなかなか慣れてきてスクラムに関しては個人的には良かったと思います。しかし自分が思っていた以上に走れませんでした。この夏は個人的にもっとフィットネスに力を入れていきたいと思います。」

きむにぃ(写真左)

「今日の課題はいままでの練習(フィットネス,DF)の成果を出すことだと思って試合に臨みました。でも自分はあまり練習に出れなかったので,特にフィットネスがぼろぼろでした。合宿までもう時間がないので,できるだけ練習にでれるようにしたいです。」

この2日間、もう一つの予想された効果は、十分現れた。レギュラー争いだ。まっちゃんや椿は鬼気迫る顔でナイスプレーを連発した。しかしこの日、かつて絶対当確と言われた彼らの背番号をつけていたのは、成長著しいリョウとほっしゃんだ。セカンドポジションへの移動の可能性が、安住の背番号など存在しない事実を突きつけてくる。リョウがフランカー?まっちゃんがLO?ぴーがフッカー?ほっしゃんがLO?やっさんがFLBKだって安住はできない。絶対的司令塔であったはずのきむにぃと1年生まりもの距離は急接近してきている。もちろん、他のポジションもしかり。夏合宿を終えたころ、スタメン15人に入っているのは誰か。現段階では、誰も予想がつかない。そんな理想的な形で夏のサバイバルに突入した。

 

タニ(左写真)

「今日の試合は先輩に頼り過ぎてしまい、自分のやりたいプレー(タックルなど)が全然出来ませんでした。なのでもっと声を出して積極的にいけるようにしたいです。」

こっしー(MG)

「今日はラグビーをするような気温じゃありませんでしたょね( ̄∀ ̄)笑  ぃや~久しぶりに部活行って…やっぱラグビーって最高っ♪夏休みの勉強のストレスなんて吹き飛ぶほどの痛快なトライ!!一年生のトライも連発し~の、やっぱり勉強の息抜きは必要だと感じたぃぃ1日でした♪(≧∇≦)笑 」

話は急に変わるが、この日に対戦させてもらった大磯高校と愛川高校は、知ってはいたがやはり素敵な集団だった。大磯高校は真剣なんだが自由で伸び伸びとした雰囲気を持ち、アフターファンクションでも集団としての懐の深さ?を見せてくれた。  

今回も炸裂!大磯高校のパフォーマンス。仕込まれてますねぇ!

柏陽高校の指導者でありながら、個人的には以前から愛川高校ラグビー部の熱烈ファンだ。初めて見たときに、山本先生と一緒に彼らの姿に感動を覚えた。現代版スクールウォーズ。まだ残っていたか古き良き昭和ラガーの匂い。なにしろ純粋なのだ。打算がない。ただ好きだからラグビーをやっているというのが、ヒシヒシと伝わってくる。彼らの身の回りにも、きっと他に楽しい遊びや誘惑はたくさんあるに違いない。それでもラグビーボールを純粋な瞳で追いかけている。

超高校級の体格・愛川両プロップとあずき。もう一人同じレベルがいるらしい・・・。

「ラグビーも気持ちが大切だろ!」「俺たちの力を証明するんだ!」「終わってない!まだ終わってない!」彼らの叫ぶ一言一言に、心の中で「よし、そうだ、その通りだ」と頷いてしまう。おそらく不器用で計算高くない人間が、夢中になって物事に取り組む。その姿は見る人に感動を与える。愛川高校ラグビー部の皆さん!いつまでもそのハートを忘れずに頑張ってください!応援してます!

愛川高校・立派な校歌でした!

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