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横浜セブンス(2日目) 逆襲と歓喜 祝・優勝!

2008/06/09

 横浜セブンス2日目、A(3年生チーム)は前日の予選プール3戦全勝で1位トーナメントに、B(1・2年生チームは)1勝2敗で3位トーナメントに出場した。

 10:00 Bの準決勝がキックオフ。相手は愛川高校中心の合同チームだ。合同と言って侮ることなかれ。100㌔超級3人。うち一人は130㌔・・・。前日の予選プールでは、川和B相手に切れ味抜群のエースが縦横無尽に走り回り、そのポテンシャルの高さを示した。

 しかし始まってみれば試合は終始柏陽ペース。あずきは密集サイドのチャンスを見逃さずにトライを奪い、イマカズのステップに反応したオギがトライを奪うなど、着実にスコアを重ねた。最も会場を沸かせたのは、初試合となったミットだ。柏陽2人目の90㌔超。加えて瞬間スピードはBK級かそれ以上。「パワー = 重さ×スピード」の公式のとおり、インパクトプレーヤーとして迫力満点だ。その能力は初試合でもすぐに発揮され、ボールを受けるとタックルにすがる相手2人をもろともせず、インゴールを陥れた。まだ「仕事場所」が絞れず右往左往する時間もあるが、近い将来「柏陽の強力な武器」となることは間違いない。試合は「31-0」の完勝。

 いよいよ3位トーナメント決勝。相手はAが予選プールで対戦した関東学院六浦だ。説明は前日の通り、Bにとってはビッグチャレンジだ。試合の焦点は「いかに相手の腕っ節が生きる近場の攻防を避け、広いスペースでオギにボールを渡せるか」。試合は想定よりも健闘し、互角に近い攻防が続く。先制トライを許すも、この大会通じてさえ渡ったまっつんのオープンキックにオギが猛チェイス。ボールを拾うと快速を飛ばしてインゴールを陥れた。その後は攻め続ける六浦と守り続ける柏陽B。双方フィットネスが限界に達したラストワンプレー。力尽きたのは柏陽Bだった。「7-12」無念のノーサイド。あと一歩のところで、3位トーナメント優勝を逃した。悔しい。しかし「まだ早い」も真実だ。1年生はオギ以外初試合。2年生は関東大会予選以降、顔つきも変わり実力をつけているものの、心技体ともまだまだ甘さが消えない。「リーダーシップ」「ゲームマネージ」「責任」「自信」・・・人間としての力、チームとしての見えない力。ラグビーはやはり、甘くないから面白い。

 失意の決勝から気持ちを切り替え、いよいよAの1位トーナメントが始まった。準決勝の相手は川和高校。予選プールを見る限り、「セブンスの戦い方」を参加校で最も体得している。キックオフ前から緊張感が漂う。表情がとにかく硬い。しかし「緊張をどうやってほぐすか」といういつもの悩みは、なぜか起こらなかった。その緊張は秩父宮のロッカールームから漂う空気と同一のものであることが、経験と体感で分かったからだ。

 キックオフ。普段OKのプレーがペナルティーとして扱われ、ゲームが動かない。相手の「セブンス的アタック」は想定よりも柏陽を苦しめる。前半終わって「7-7」。初めての接戦。緊張から解き放たれない。それでも「自信」は揺るがない。後半は攻守にわたって圧倒。椿中心にDFとブレイクダウンを制し、長年練り上げられたサインプレー一発でトライを奪って「17-7」でノーサイド。ついに決勝にたどり着いた。

 

 決勝の相手は大会前の予想通り、桐蔭中等教育学校だ。部員数は柏陽の倍に近い。県を代表する怪物プロップや、走攻守判断、何から何まで完璧なトータルフットボーラーを軸に、決勝の地まで余裕の道のりをたどってきた。強い。格上だ。そして何より柏陽にとって「チュウトウ」は特別な相手だった。

 思い返せば全員1年生で臨んだ花園予選。チュウトウ相手に「0-59」の屈辱的スコアで蹴散らされた。その試合後、フェニックス誕生以来、初めて部員の目から悔し涙がこぼれた。その日をスタートに、合言葉は「逆襲」となり、いつかのリベンジを心に誓った。そして昨年春、チャンスを生かせず「21-29」でまたもチュウトウに敗れた。チュウトウは柏陽フェニックスにとって、達成していない逆襲のターゲットであり、ある意味原点であった。

 空からは雲の合間から光が差し込む。しかしアップを覆う空気は一段と張り詰めている。チームを覆う空気は緊張を超え、「触ると肌が切れそうな冷気」にも近い。選手は苦しさすら伝わってくる表情で、緊張と戦っている。しかし気の利いた言葉でリラックスさせる気には今回もなれない。この緊張は試合後にしか解き放たれない。そこに待ち受けるのは、歓喜か絶望か。

 全部員一丸となり「モモ上げ」「円陣」で気合を爆発させる。コパが叫ぶ「逆襲―!」やはりあの日のことを意識していたのだ。その異様な光景を見て、チュウトウの選手たちはニヤついているような引きつっているような、複雑な表情だ。シナリオはすべて整った。

 15:00 いよいよ大会を締めくくる最終試合。1位トーナメント決勝戦が始まった。開始早々、キックチャージのアンラッキーなバウンドから先制トライを許してしまう。しかしその時間があまりに早すぎたことが幸いし、チームに焦りは生まれない。柏陽は自陣からケイが背後にスペースを見つけてオープンキック。かつてすべて「凶」とでていたケイのキックだが、これがゲームを決定付けるプレーとなった。頼れるセブンスキャプテン・カズが快速を飛ばして相手を置き去りにし、ボールをキャッチするとインゴールまで走りきってダイビングトライ。キックも決めて「7-5」とリードして前半を終えた。

 後半は常に柏陽がゲームを支配。DFではピンチらしきものをほとんど作らず、ブレイクダウンでも互角以上に戦い、何より「ゲームを支配する空気」が生まれていた。チャンスエリアのスクラム。ベンチの全部員が期待したプレーでエース・カズが相手DFを切り裂く。インゴールに飛び込むその姿に、ベンチの1年生の口から憧れ・尊敬・畏怖の言葉がこぼれる。最後はこの大会通じてAの軸を支え続けたコパが相手を振りきってトライ。

ノーサイドの笛が響き渡る。緊張からやっと解き放たれた。

「19-5」悲願、本当に悲願の横浜セブンス優勝。意識も朦朧としているセブンスキャプテン・カズが優勝の賞状と大会MVPの記念品を横浜市協会沼田会長(あの沼田一樹の父親!)から受け取った。

 

セブンスキャプテンとしてチームを優勝に導いたカズ

「横浜市セブンス優勝――この言葉にたどり着くまで本当に長かった。プロセスは確かに大事だが、やっぱり勝たなきゃ意味がない。勝たなきゃ真に得られるものはない。これまでたくさん悔しい思いをしてきたが、今回優勝する経験を通してまた一歩成長するきっかけになったと思う。この勝つという感覚を忘れずにこれから残りの時間を大切に過ごしていきたい。」

攻守の要・ドキンちゃん

「まず今回は決勝で勝てて嬉しかったです。ホントに。誰々がいたら…とか次頑張ろう…とかそういう反省会も『準』優勝って書かれた賞状も負けた後のシボリももう飽きたし絶対嫌だったんで…。プレーはチームでのアタック、ディフェンスのまとまりが良かったと思います。特にディフェンスではコミュニケーションを取りながら全員でうまく守れて良かったです。個人的には納得のいくタックル、アタックの仕掛けが出来ました。このいい感触を忘れずに来週の15人制でもこれ以上のプレーが出来るよう頑張ります。」

MGも貫禄あり!チームを支えたこっしー

「昨日今日と久々に2日間ずっーと部活に出れてホント楽しかったです♪やっぱりラグビーって最高だゎ~~(*´∀`)ノ笑 今TVなどでもバレーボールやサッカーが盛り上がっていますが、ラグビーのほうが数十倍感動できますね!! 今日の試合結果は柏陽Aが優勝、柏陽Bもまだ入って1ヶ月ちょいの1年生もいるなか2勝できたと素晴らしい結果に☆\(^ー^)/ も~ホントにみんなカッコ良すぎですょ~♪やってる時はハラハラドキドキ、気の休まる時があまりなかったけど、みんなの頑張りにホント感動(*´艸`)
来週の試合もこの勢いで~はくようガンバ♪(●・∀-)v笑」

大忙し!「きょえん」なくしてフェニックスなし!

「土曜日,1番緊張したのが柏陽Bの1試合目でした。はじまるまえからずっとドキドキしてて,お腹まで痛くなっちゃって,あのときは実際かなりやばかったです(、w゜)笑

 でもゲームがはじまると,うみさんが気持ち良くトライ(((つ・ω・)つ◎+゜お腹の痛みもいっきに無くなって,試合に夢中でした!!

テスト前から自信ない~って言ってたくせに,みんなそんなことないじゃん!!??ってな感じで安心しました(・∀・)ノ 今日のメインはやっぱり柏陽Aの決勝!! 泣いちゃいましたね,こっしー先輩と(P_.)笑 最初中等に開始早々トライされてその後すぐ取り返した時のカズ先輩のトライにホロリ(ノ∧・。) でもって後半の1番最後7点差でずっとドキドキしながら応援してるときのコパ先輩のトライ→ノーサイド→こっしー先輩と熱い抱擁→泣き(*>艸<)+. いっきに緊張がとけて本当に嬉しくって,久しぶりの嬉し泣きでした!! みんなめっちゃかっこよかったです。来週も頑張りましょう(◎*'U`)ノ」

表彰式後に全員で校歌

 

「柏陽のラグビー」をやるからには、勝たなければいけない。強くなくてはならない。自らが感動し、見るものに感動を与えるラグビーをしなければならない。この日の3年生は、それを果たした。内容を振り返ると、結局は全試合完勝。アタック、DF、ブレイクダウン、すべてにおいて優位に立った。つまり、自力に支えられた勝利だ。毎日の放課後、コンタクトスーツを着てファイトしてきた。ウェイトも朝早くから取り組み、OFFの日でもたいていはサブグランドでキックを蹴ったり、ダミーに突き刺さったり。それらすべての積み重なりだけが、自力となる。そして勝利と感動をもたらす。

 

「すべては柏陽グランドにあり」

このことを忘れずに、「シード倒し」という目標からひと時も目をそらさず、寸暇を惜しんで自分を高めてほしい。桐蔭慶応公文向上相模・・・、残された時間なんて一瞬だ。

ケイ(左から2番目

「最高でした!終わって皆と抱き合いながら『こーゆー瞬間を味わいたくてラグビーやってたんだよなぁ』と思ってました。あの緊張感のなか勝てたことが大きい。今まで何回もあそこまで行って負けていたから。決勝のキックは、蹴った後『これで負けたら退部かなぁ』と思ってました。100%まぐれです。ただ、自分もチームも、これが最終目標ではないし、もっと大きな夢があるから、今日の経験をいかしてもっともっと強くなっていきたいです!小森コーチ、教えていただきたいことがいっぱいありすぎて困ってます、助けて下さいm(_ _)m」

いつも応援に来てくれるサポーター・柏陽生てっぺい(右から2番目)

「今日はお疲れ様でした。やっぱりラグビーは見ている方が、すごい興奮させられる!!しかもセブンスっていうことで、一人ひとりのプレーがしっかり見れてホント良かった!カズさんヤバすぎるってマヂ心から拍手を送りたい感じでした。また来週も試合頑張ってください!ラグビー部、最高~♪」

タックル3兄弟3男・チマ男は試合で初タックル成功(右から2番目)

「今日はタックルを決めることができて、嬉しかった。だけど、完璧に決められたタックルは一つもなかった。高いし、裏とられてるし、すぐに倒せないし。それに、FWとして、サポートにはいれなかった。これから今日の反省を活かして早くFWの動きを覚えて、タックル練習を精一杯やって、必ず強くなってみせます。」

大会後に行なわれた1年生試合でキャプテンを務めた竜ちゃん

「ついにタッチでもホールドでもないラグビーをする時が来た!「俺、大丈夫かなぁ‥」という不安と「俺、活躍しちゃうかも」という期待(笑)を抱いたままキックオフ。結果はとうてい満足できるものではありませんでした。サインプレー炸裂で相手FBと一対一になり、抜けば人生初トライ!しかし現実は甘くありませんでした‥ステップでかわそうとしてもキレは無く、ガツッとタックルを喰らってあえなく終了。ディフェンスでもタックルで倒せずゲインされようやく服を掴んでひき倒すという不始末。改めて先輩のスゴさが分かりました。これからは今以上に頑張って課題を克服していき、人生初トライを決めたいと思います。」

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