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再起への一歩目。シード校湘南に大勝!

2007/12/28

 1226日、2007年も残すところ僅か。あの思い出したくない、しかし決して忘れてはならない横須賀高校戦の屈辱から10日が経った。この日の相手は県立としては唯一のシード校・湘南高校。相手は強豪だが、横須賀から教えてもらった「激しい気持ちありき」をこの試合で達成し、暗い雰囲気をしたいところだ。

 11時半、相手の湘南高校が柏陽に到着。一見してデカい。更衣室まで案内したあとに、サブグランドで練習をしている柏陽選手に声をかけた。「オイ、湘南デカいぞ。」それを聞いて選手はさらり。「いつものことですから。それが普通ですよ。」まるで「相手がデカくないと落ち着かない」かのように、誰もが明るい表情で笑った。

 13時、きむにぃ会心のドロップキックで試合開始。予想通り、湘南は8番と1番ら巨漢FWを前面に出し、激しいタテ突破を試みる。11で倒せないが、二の矢、三の矢が突き刺さり、何とか食い止める。湘南9番はDFの勘が素晴らしく、柏陽アタックを見事に一人で封じていく。しかしゲームは予想外の展開になっていく。

 安定したブレイクダウンに加え、この日はきむにぃのゲームメイクが冴え渡る。捌いてよし、走ってよし、蹴ってよし。セオリーの蓄積が生き、優れた攻撃のバランスと効果的なゲームメイクを実現した。的を絞らせずにきむにぃがボールを捌き、ケイ、カズ、コパ、ドキンちゃんらが走り回る。チューも「これぞ、SHセーフティー」というランニングで50mを走り切る。8番1番の強烈な突破で1トライ奪われるも、前半は攻めっぱなし「36-7」で終える。

 後半は一転して湘南ペース。ボール獲得率、エリア支配率ともに湘南が7割以上優勢を保った。しかしここが柏陽進化と成長の見せどころだ。強烈なFW突破でゲインラインをきられるも、DFは組織的に機能し、目立った穴を作らなかった。ゴールラインを背負うこと数回、地を這うDF(高鍋!)で粘り、あと30cmを譲らない。粘って粘って奪い返したボールを、カズらが走り切り得点を追加。終わってみれば後半は無失点「28-0」、トータルで「64-7」という大差で勝利した。

 この日の快勝を支えた一因に挙げられるのは、ゲームマネージメント。時間・エリア・攻撃スポットをしっかり見極め、サイン選択など判断を間違わなかった。もちろん、今回も課題は明確だ。相手の8番1番という強力ペネトレーターを一人で倒せていない。組織で戦うことが、個の敗北をごまかすことに繋がってはならない。ワンプレーワンプレー、強度・精度ともにまだまだ横須賀を倒せるレベルではない。もっともっとFWは「低く、激しく、精確に、連続で」BKは「判断と変化のレベル上げ、速く、ミスなく、精確に」、次のビッグゲームで泣くか笑うか、すべては日々の練習にある。

きむにぃ

「今日の試合は個人的なことでは小さなミスがいくつかあったけど、いいプレーも何度かあって楽しかったです。チーム全体のトライ数はすごく多かったけど、ゴールキックが真正面でも入らなかったのは練習不足かなと思いました(後半のSOまっつんに完敗)。」

コパ

「今日はチーム全体としては内容のいい試合だったけど、個人としては取れるところで取りきれなかったりして、課題の見つかった日でした。ところで、今日生まれて初めて骨折しました。小指が変な方向に向いていると思ったら、折れてました。しばらくは治療に専念します。」

 

 翌日27日は超充実?の練習。8年前の益子ヘッドコーチ(軍曹)率いる早稲田大学では、85分(ロスタイム込みで1試合分)のヘッドスピードを行い今でも語り継がれているが、この日の柏陽練習は怒涛の95分アルティメット。30分ハーフの試合を1試合半分、ノンストップで走り、ぶつかり、また走った。これは大きな自信となる。柏陽は1試合半でも激しさとフィットネスを維持して走り切れるのだ。

 「終わったー!」という達成感のもとで、その後は個人練習。選手の顔からさっきまでの悲壮感が消え、笑顔がこぼれる。が、そこで終わらないのが生まれ変わった柏陽だ。石嶋照幸氏(前記事参照)の置き土産、「姿勢・Z」で、全員足がガクガクに震えるまで自分を鍛え上げた。

 湘南戦の快勝で気分一新、2008年を迎えるか。いや、やはり20071216日の光景を引きずって迎えるべきだ。臥薪嘗胆。屈辱を晴らす日まで。

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