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東海大相模戦 全国レベルを体感

2007/04/23

 2回戦は助っ人タクを入れても14名。インゴールに立っているだけの選手を置いてやっと15人という状況で突破した。次の相手は東海大相模。他県にいたら花園に出場してもおかしくない全国レベルの強豪だ。棄権するか否か、選手は迷わず戦うことを選んだ。けが人が回復することを期待した。しかし試合当日、予想外の試練となった。プレーするつもりでいたけが人にはドクターストップがかかり、チームの要3名が極度の体調不良。実質11人。リザーブも当然なし。

 試合は0-78でノーサイド。しかし戦い抜いたことだけで胸を張っていいと思っている。選手は本当によく頑張った。タックルしまくった。何度でも何度でも立ち上がってタックルした。個人的には綺麗ごとは好きではない。日々の努力もろくにしていないのに負けて涙するような茶番には、冷たい視線を送ってしまう。勝負の世界で「本物」と「偽物」を両方体験してきたつもりだ。そんな私が「戦い抜いただけで立派」なんて心底思えたのは、この試合が初めてだ。もちろん、試合後にケイが「先生は胸を張っていいって言ったけど、やっぱ悔しいし・・・」と言ったとおり、選手は違う思いだろうが。

俺たちには明日がある。下を向いている場合じゃない。だって1年生がいるから。明日からは新・柏陽PHOENIX。今度の1年生も、これまた面白い!すでにチーム1の体重とパワーを持っている者、にこやかな顔していきなり刺さるナチュラルボーンタックラー、その他、個性的も個性的。今のメンバーはずっと「おとなしい、もっと盛り上がって声出して・・・」なんて1年間言われ続けてきたけども、この1年生はタッチフットをやっただけで「よっしゃー!ナイス!もう一本取ろーぜ!」「まだまだ!絶対取り返そうぜ!」「10秒に1本トライ取れば、すぐに追いつくって!」と、すでに盛り上がりまくり。これからはすべてのポジションで熾烈なレギュラー争いが起こること間違いなし。そう、本当に下を向いている暇はないんです!

 

さて、この試合で最後になるのは3年生のタク。新人戦に単独チームで出るために頼んだ助っ人。2年生(当時は1年生)だけのチームに、たった一人で入ってきてくれた。勇気も根気も相当なものだったと思う。本職はジム(学校外)で励んでいるボクシング。実力は県内超トップレベルである。新人戦が終わったときに「お疲れさん。ホント助かったよ」と、グランドから離れたのに、今回も突然のヘルプ要請に対して「ハイ!やります!頑張ります!」と即答してくれた。練習はもちろん全くやっていない。しかしボクシングで鍛え上げた体と天才的運動能力で、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。1回戦のワークレイト表(各自の仕事量集計表)では、グッドオーバーの数がチーム1位。3試合通して、タックルも決めまくった。何より感動的だったのは、東海大相模戦でのリーダーシップ。トライを取られた後に、大きな声を出してチームを励まし続けた。先輩後輩という信頼関係は正直できていなかったはずなのに、この日はみんなタクの声に励まされ、引っ張られていた。とにかく純粋で、強く優しく、驚くほど繊細で愛情深い。次の大会からは1年生がエントリーできるので、今日で本当に最後である。きっとこれからもボクシングが本業でやっていくんだろうけど、クラブチームでも遊びでもなんでも、タクがまた楽しそうに楕円球を追っている姿を心から見たいと思う。

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