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~東條組最終章~VS桐蔭中等(ジョー)

2012/10/16

 

107日、桐光学園グラウンド。互いのチームの応援、咆哮が響き渡る中、東條組の終幕を告げるホイッスルが響き渡った。相手はサイズ、技術、経験、あらゆる面で格上の桐蔭中等。だがそんなことはわかりきっている。それでも泥臭く、粘り強く、自分たちのラグビーをすれば勝機はあると信じてやってきた。

 

 

試合開始直後、自陣で戦う苦しい展開が続く。敵陣に入っても相手のキックにエリアをあっさりと戻される。それでも体躯において勝る相手に必死に突き刺さっていく。そんな展開がしばらく続いた前半中盤、相手のよく考えられたプレーにインゴールを明け渡してしまう。

その後は、度々敵陣深くに入るものの攻めきれない展開が続く。しかし、その攻防の中ついに前半終了間際にトライをもぎ取り、そのままハーフタイムへ。

 



 

練習してきた形でトライをとり、流を引き戻せた。しかしまだまだやれる。再び気合を入れて、後半のホイッスルが鳴る。

後半が開始してからも、苦しい攻防が続く。攻める桐蔭中等に対し、柏陽の懸命なタックルが続き、易々とトライは許さない。ラインブレイクをされても、カバーDFがしぶとく突き刺さる。ここをしのげば必ずチャンスが来ると信じて。そんな攻防がどれくらい続いただろうか。相手の鋭いタックルをきっかけに再びトライを許してしまう。そのしばらく後にも、相手のラインブレイクからトライを許してしまう。
 

普段だったらここでチーム気持ちの糸が切れてしまっていたかもしれない。しかし叫ぶ。

「まだ終わりじゃない。まだ死んでない。」

大丈夫だ、まだ逆転できる。皆の眼にまだ闘士は宿っている。

 

その直後のキックオフ、相手がこぼしたボールを拾い、攻め込む。それぞれが持ち味を存分に発揮し、ボールを動かす度に敵陣インゴールに迫っていく。

そして組んだモールを一丸となって押し込みトライをもぎ取る。

その後も柏陽はアタックを続けるものの、中等のDFは容易くゲインを許さない。

 

時間だけが無情に流れて行く。

 

そして自陣ゴール前、大ピンチを必死に守り、相手のノックオン。

 

―さあ凌いだ。ここから反撃だ。

 

 

そう思った瞬間、ノーサイドを告げる笛が鳴る。

最初は何かの冗談にしか聞こえなかった。ここで終わりなはずがないと。

 

 

しかし整列、挨拶等をするごとに、「ああ、終わったんだな。」という実感がわいてくる。

俺達の高校ラグビーはここで幕を閉じた。



 

思えばここまで来るのには本当に苦難の連続だった。人の上に立つことの難しさ。何度も挫けそうになった。

しかしその度に周りに助けられて、前に進み、ここまでやってこれた。

この先何が起こるかは分らないが、仲間とともに得たこの3年間の経験は、ほかの何物にも代え難いものになることは断言できる。

この場を借りて、今まで本当に支えになってくれたチームメイトに、改めて感謝の意を表したい。

 
 

このチームで主将であれたことを本当に幸せに思います。

3年間、どうも有難うございました。

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