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横浜セブンス 必然の課題

2007/06/09

 思えば1年前、全員ラグビー1ヶ月少々で臨んだこの大会、小さじ一杯程度の期待を持って戦ってはみたが、全試合お話にならない大差で破れ最下位に終わった。それから1年、この大会での成績は自分たちの成長を示すバロメーターとなる。予選プール初戦の相手は神奈川工業。秋のセブンス大会では1年生の部で優勢にゲームを進めながらもサヨナラトライ「0-5」で破れた相手である。今回は相手に3年生が加わったとはいえ、絶対に借りを返したい。中間試験明けではあるが、十分な気迫で挑んだ。

 試合は終始五分五分。結果は「10-12」、悔しいゴール差負けである。敗因は明確。フィットネスが全くなかった。勝負どころで繰り返された無駄なノックオンは、フィットネス不足から集中力が切れたことが原因と断定していいだろう。あと5mでトライというところでフィットネスが切れる。足が動かない。チャンススペースが目の前に広がっているのに、それが狙えない。相手のトライに対して、コンバージョン位置を端に寄せるためのカバーDFにも走れない。この1年間、優先順位としてフィットネスを「ラグビーを覚えて楽しむこと」「スキル」「ウェイト」の下位に位置づけ、実はまったく走ってこなかった。それが見事に露呈した敗退であった。

 

 2試合目の相手は松陽高校。個人個人のステップワークは見事なもので、チームとしてもメンタルをしっかり作ってくる。いいチームだ。神奈川工業戦は相手エース一人にゲームを支配されたものの、それ以外は五分五分だった。おそらく柏陽と実力差はあまり変わらない。ところがはじまってみれば柏陽が相手を圧倒。後半からはリザーブを大量投入。タモリはタモリ的繋ぎで、ぴーは低いタックルで、かっしーは鋭いDFの出足で、それぞれが3~4分の間にしっかりアピールした。「31-0」でノーサイド。チーム内にもやっと笑みが戻り、翌日の2位トーナメント出場を決めた。

ぴー

「ラグビー部に入って初めてのセブンスの大会。正直、自分が出れるとは思っていなかったので先生に名前を呼ばれた時は驚きました。それでも残り4分という短い時間で自分をアピールすべく、精一杯やった結果、タックルを成功させる事が出来ました。毎日の練習の成果を出すことが出来て嬉しかったです。次の平塚学園戦に向け、さらに努力していきたいです。」

 試合後、1年生は川和高校とアタックDF(コンタクトなし)。暴れたいストレスのたまった?あっきーの突破や、ひゃくぞうのセンスフルなアタックなど、試合の流れを体感した。

ひゃくぞう

「初めて1年生だけで他校と試合形式の練習をして、戸惑うところも多々あったが、いろいろな攻め方のイメージを少しだが確認できてよかった。攻めの時は4,5次攻撃までボールをまわせて、相手の陣地深くまで攻めて行けたが、パスミスや、パスした人にぶつかってしまうなどのミスをしてしまい、それが課題に残った。守備では、はやく相手に突っ込んで、どんどん相手陣地へ追いやることができたが、ラインに人がたくさんいて、並んで良いのか悪いのか戸惑ってしまった。この日の練習をしっかり反省して、ほんとの試合でショボイミスをしないように心掛けたい。」

 2年生はというと、3人ヘッド10往復3本、いわゆる敗戦後「シボリ」のような走り込みを行った。シボリと言ってもいくらでも楽できるメニュー。「頑張っているフリ」をすれば、何てことのない量である。フィットネスなんて1回や2回走り込んだからって、全く変わるものでもない。なぜ走ったか、すべては「気持ち」のためである。

 負けた後に下を向いて悔しがる(フリをする)のは誰でもできる。お通夜のような反省トークだって、その後に行動が変わらなければ茶番にすぎない。選手はシボリの最中に「お前ら神奈川工業に負けたんだぞ。もう忘れてんじゃないの?」という言葉を浴びせられ続けた。そこで怒り狂って走れた者にしか未来はない。「あー、もう着替えて帰るモードだったのに。体固まってるし。痛いとこあるし。だりー。さっさと終わらよ。」というヤツは、ラグビー選手として永久に敗者となるだろう。もちろん、高校ラグビーの後の人生でも然りである。カッコつけた言葉を吐こうが、試合中に雄たけびを上げようが茶番である。このシボリの最中に「ムカつく。神奈川工業に対してか、先生に対してか、自分に対してか、なんかよく分からんがとにかくムカつく」と怒り狂って我武者羅に走れた選手には、必ず未来が開けてくるだろう。ウンチクや時には合理的理論さえ捨て去り、怒るときにはごまかさずに怒り狂わなきゃ。最後は人間力の勝負。神奈川工業のお陰で、貴重なエッセンスに触れることができた一日だった。

 残念ながら翌日に予定されていた横浜セブンス決勝トーナメントは雷のため中止となりました。雨が降ろうが槍が降ろうがお構いなしのスポーツ・ラグビーも、近年雷には逆らえないようになりました

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